温泉もやっぱり君が居るらしい。

「雪奈様」


 夏奈さんと夏奈さんの洋服を見ていると突然後ろから声をかけられる。


「ありがとうございました。アイスに関しては私たちが持ち帰ったあと家にお届けいたします」

「ありがとうございます。夏奈さん達はこの後のご予定は?」

「分かっておられるのでしょう?」


 そう言って笑みをこちらへ向けてくる。


 やっぱり温泉まで着いてくるの.......?


「この近くに皐月家が運営費を出している旅館があるのです。桜城様のご両親には既にご了承を貰っておりますのでご安心ください」


 既に外堀は埋めてあるのかよ。


 まぁ、さっきまで一緒に居て嫌だった訳じゃないしその上温泉の中まで一緒だなんてことは無いだろうから別にいいか.......


「雪奈君。また明日」


 夏奈さんはそう言って護衛さんたちを連れて去っていく。


 また、温泉で会うのは奇遇って言うつもりか.......


 プルルルルル プルルルルル


 そんなことを考えていると電話がかかってくる。


 母さんからか。


「もしもし〜」

「今何してるの〜?」

「何もしてないよ〜行きたいところも行き終わったから〜」

「そろそろ温泉向かお〜。先輩の家の人が予約してくれたらしいからそこに行きましょ〜」


 如月さんが言ってたところか。


「どこに行けばいいの〜?」

「EASTZONEのフードコートにいるから来てー。私もう動きたくなぁい」


 はぁ.......


「分かった。今から向かう」

「今アイス食べてるからゆっくり来てねー」


 え?そっちにもアイスあるの?!


 美味しそうなら買っても〜らおっと。


「今すぐ向かう」


 そうして、俺は近くにあったマップを確認しフードコートの方へ走って向かった。


 意外と近くにいたようで五分ほどダッシュすると見えてくる。


 母さんと父さんの手にあったのは淡い緑色のアイスだった。


 いや、アイスと言うよりあれはジェラートか?


「おお、早かったね」


 父さんが俺に気付く。


 母さんはジェラートに夢中のようでその父さんの声で気付いた。


「はい、これ雪奈の分」


 そう言って俺にその持っていた緑色のジェラートを手渡してくる。


「あれ、買ってくれてたの?父さんの分は?」

「俺はもう食べたよ。母さんこれ2つ目だよ」


 食べすぎだろ母さん.......


「美味しいのよこれ!?食べて見たらわかるわよ!!」


 母さんに急かされたので一口食べてみる。


 色からしててっきりメロン味だったと思っていたのにそれはマスカット味だった。


 その仄かな香りまで付いていてとても美味しくて最後まで止まらずに食べる。


 一気に食べたというのに頭も痛くならなかった。


 いや、これガチうめぇ.......


 さすがにもう一個は行かねぇけど。


「ほらね〜美味しかったでしょ〜?」


 ドヤ顔で言ってくる。


 うぜぇ.......でも、美味しかったから言い返せねぇ。


「ほら、母さんドヤ顔なんてしてないで行くよ」


 父さんが母さんの手を引っ張っていく。


 そして、駐車場まで歩いていき車に乗って五分ほどすると大きな旅館が見えてきた。


 そこの駐車場に入っていく。


 え?こんな高そうなところに行くの?!


――――――――――\


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