斬鉄剣ノ士　斬鉄ノ剣士

　勝つのは、斬鉄剣の士か。斬鉄の剣士か。
　二人の勝負が始まる。

　志摩満はこの（異）世界に日本刀を伝え、その武力と武道をもって世界を統一した。
　彼は子孫三代に渡り、市井に武道と日本刀の精神を伝えたのちに逝去する。
　孫息子の盈は、祖父からの教えに従い、穏やかに山村での生活を送っていた。
　盈少年には素質があった。彼には刀線というものが見える。

　――刀線。
　特別な人間だけが見ることのできる赤い線。
　ひとたびそこに刀刃を押し当てて力を加えれば、鉄金属は無論のこと、ましてや刀ですらも断ち切ることができる刀線。
　しかし、同じ志摩家を名乗る志摩シノギが現れ、斬鉄剣を持って村を襲撃する。
　――斬鉄剣。
　あらゆるものを斬り砕き、どんな刀剣をもってしても壊すことのできない剣。