概要
僕は鉄分が多い。それも乗りの方だ。
陶守美幸様の自主企画、「つなげ! 鉄道短編小説旅」に参加するために書き下ろしました。
あらすじ
岩瀬勇希 51歳。
中学二年生で「青春18きっぷ」を使って北海道旅行。
快諾してくれた両親、途中で出会った親切な人たち。
今でも甘酸っぱい思い出が心の中に広がり、そして小さな棘が心を刺す。
中学二年生の未知の世界をみなさんに。
あらすじ
岩瀬勇希 51歳。
中学二年生で「青春18きっぷ」を使って北海道旅行。
快諾してくれた両親、途中で出会った親切な人たち。
今でも甘酸っぱい思い出が心の中に広がり、そして小さな棘が心を刺す。
中学二年生の未知の世界をみなさんに。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!甘さよりも、現実的な苦さを味わうための青春小説
旅や出会いには、前向きな期待と不安が付き物だと思います。ですが、この物語の場合は、まだインターネットもスマートフォンもない時代の物語なので、まるで灰色の濃霧を手探りで進んでいくような期待と不安が付きまとっています。
なんの前情報もなく、地元を離れて旅するとなれば、まさに冒険をしなければならないのです。しかも昔の日本は、今なんかよりよっぽど荒々しい気性の持ち主が多かったため、たとえこの物語の主人公のようにまだまだ少年と呼べる年齢の若者であろうと、容赦なく対応するわけです。
だからこそ、すべてがハッピーエンドに終わるわけではありません。少年の冒険そのものは、人生経験の糧になったはずです…続きを読む - ★★★ Excellent!!!青春18きっぷを握り締め、あの日の自分と旅に出る。
中学二年生の勇希くん、東京から鈍行で遥々札幌を目指す…!
旅先で出会う人たちとの時に厳しくも暖かい交流。飛び交う方言。頼りない懐具合を気にしながら啜るラーメン。ぼったくりの安宿。
そして、ミステリアスな年上女性との切ない思い出…。
14歳は大人と子供の境界に立つ年齢です。
親や教師に反発し、広い世界を見たくて遠くを目指すも、己の非力さに打ちのめされ、お母さんのおにぎりに涙を流し、お父さんが忍ばせた封筒の中のお小遣いに救われる…。
アンビバレントな感情に引き裂かれながらも、ひたすら足を止めない彼の姿に、いつかの自分を見る思いでした。
それにしても、たった17話でこの濃密さ!
さながら少年…続きを読む