春待ちの唄


嵐が丘に種を蒔く

冬枯れの諦めの地に


いまひとすじの雨が降り

わたしの頬を雫が伝う


そしてわたしは

ようやく悟る


存在の

そのものこそが

祈りでもあり

願いなのだと


嵐が丘に種を蒔く

冬枯れの諦めの地に


ただ懸命に種を蒔く

この身の限り希望の種を


ふとやわらかな光の射して

わたしはそっと空を見上げる


いまひとすじの風の匂いが

そう遠くない春を教えた

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