宇宙を垣間見る


無事に初雪を迎えた幾日か後、

ぬるま湯に漬かりながら

狭い浴槽の縁に頭を預ける


そのままに目蓋を閉じたなら

電球が朧に灯る天井を通り過ぎて

精神は寒々とした宇宙と出会う。


小さな人の身では計り知れず

また、見届けることすらも叶わぬ

大いなる星々の静謐で苛烈なる歩み


私の内面にある懊悩は確かに瑣末で

それこそ、彼等の永遠からすれば

容易く消える燐寸の火でありましょう


それでも命の軛の中で踠き苦しみ

灰となる迄、ささやかに燃ゆる魂にも

私は、幾度と無く宇宙を垣間見るのです。

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