コトノハツムギ

名無也

野薔薇

独りは嫌い

独りは嫌い


本当を閉じこめて

独りでも平気な素振り


装って纏った茨

君を守り

君を縛るよ


その棘はやわらかく

暖かなものであるのに


君だけが気付かずに

君ばかり傷ついている


優しい野薔薇

もう泣かないで


ひとりぼっちの

蕾のままで


茨の棘をすべてほどいて

その手を引いて

連れだしたげる


太陽のした

ひろがる世界


陽射しに揺れる

花のかんばせ


ほら微笑みが

ちいさく咲いた

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