不器用者よ


悪者ばかり得をする

そんな時代になりました

明けない夜は無いとは言うが

今更、それが信じれようか


優しさ故に傷ついて

踏みにじられて捨てられる

正しさすらも行き場を失くし

火葬の列に放り込まれる


今日も今日とて世は無情

それでも足掻く不器用者よ


 たとえ嘲笑われ蔑まれても

 ただ、まっすぐな魂であれ

 いつか誰かの悲しい涙

 節くれた手で拭える様に


傘を盗まれ濡れ鼠

窃盗犯は知らぬ振り

やまない雨は無いとは言うが

これが病まずにいられましょうか?


人の不幸は蜜の味

喜び勇み群をなし

蟻が集って有難がって

その有様に嫌気もさそう


産まれし故の この苦悩

それでも生きる不器用者よ


 たとえ無様で泥臭くとも

 尚、誰よりも誠実であれ

 いつか生命の終わりの時に

 その生き方を誇れる様に


捨て場所も無き この無聊

それでも歩む不器用者よ

 

 たとえ愚かと罵られても

 紛う事なき「人間」であれ

 いつか誰かと寄り添いながら

 偽りもなく笑える様に


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