2020年5月2日

 本当はやらなくてはならないことがあるのだが、何かと理由を付けてやるのを避けている。「怠け者は道に獅子が、広場に雄獅子がいると言う」とはよく言ったものでまさに今の状態は怠惰という他あるまい。そんな状態でゲームを起動すると、今度はやることをやっていないことに非常に焦燥感を感じて、ゲームに全然集中できないといった次第である。


 そんなわけで現在積んでいるゲームがニーアオートマタ、ゴッド・オブ・ウォー、デトロイト、ペルソナ5スクランブル、スパイダーマン、ライフイズストレンジ2、十三機兵防衛圏とどんどん数が増えているのである。そのなのにも関わらず、ゲーム機を起動すればエーペックス・レジェンズやら生まれ変わったフォールアウト76やらをプレイして、積みゲーの消化が一向に進まない。


 だいたいこういうものは病名が用意されており便利である。この場合はPCN症候群という。どうだろうか、病垂れが付くだけでなんだか仕方がないことのように思えてくる。どうだ、私はPCN症候群なのだから仕方がないだろう、あまり強く叱責せぬように、ポリティカル・コレクトネスな問題に発展するぞ、と強気に出れるという次第だ。他に私はインポスター症候群を患っていると診断されているのだが、これもまたそうで、おかげで大手を奮って巷を闊歩できる。


 そんなことを言っているとこちらが怒られそうなのでこれ以上はやめておくとして、ともかくこういった自覚を持つことでポジティブになれる場面もあるということが言えるのは確かだ。私の場合はそれをクッションにしてなんとか生きて行けるようにできている。後ろ向きなポジティブさではあるが、後ろ向きに前進できるならばそれはそれで良いではないかと思う。


 罪悪感から逃れる一番の方法は眠ることである。睡眠薬をたくさん飲んで日がな一日眠るのだ。過ぎ去りゆく時間を憂うことはできるが、過ぎ去った時間はもうどうにもならない。やることから目をそらし、息抜きの焦燥感からも逃れるために眠る。いかにも私らしい怠惰な逃避である。

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