2020年4月28日

 のんびりと過ごしているせいで、三日くらいでやっと一日くらいの感覚で生きている。その為、前に綴った日をまだ二日前くらいだと思っていた。三日で三食、睡眠は一日四、五時間たっぷり。ベッドから起き上がらずに、サイドテーブルに積んであるいくつもの本の中から気分で一冊選んで紐解く。


 ソーシャルゲームというやつがあって、こいつは毎日ログインを要求するのだけれど、私はこんな調子で過ごしているから、ログインせずに忘れてしまうことがままある。しかしそうするとクランのようなシステムの中だと迷惑だと言う人もいるので、なるべくログインしたり、デイリーをこなしたりしないといけない。実に煩わしい。煩わしいのだけれどどうにもやめられない。ずるずると続けてしまうのだが、正直何故続けているからわからないと言う次第だ。


 賢い人はこういうとき一歩立ち止まって考える機会を持てるので、正しい取捨選択を行うことができると思うのだけれど、私は見ての通りその日暮らしにのほほんと生きているので、そういうものが非常に苦手である。


 なので私は夜ベランダに出て安いウィスキーをガス入りミネラルウォーターの微炭酸で割りながら、夜空をぼうと見るのだ。星も大して見えない面白みのない空。柵の隙間から足を出してブラブラと揺らす。この柵が突然壊れてしまったら、私は真っ逆さまだ。頭は水風船のように割れて、中身が辺りに広がる。誰もが想像するやつだ。エレベーターの線が突然切れて落ちてしまう、橋が崩れてしまう、歩いていると上から看板が落ちてくる、電車が脱線して横転してしまう、観覧車の留め金が外れて落下してしまう。私は体重を乗せて柵に抱きつく。背筋がひやりとする。目を閉じる。


 ドライイチジクとチーズをつまむ。思索の時間を奪う様々なサービスのおかげで生き長らえているが、頭の靄も濃くなった。頭をぼやかさねば幸福などないのだから。楽しいお酒、ソーシャルゲーム、ソーシャルネットワーキングサービス。幸福なストーン。

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