2020年4月11日
寝て起きて寝る生活である。この日記を記し始めた時期の問題もあってSARS-CoV-2の時代の記録の様相も呈してきているが、結局私の生活というやつにはまだ大きく関与しておらず、私は元々こういう性分ですから、蟄居に親しく、のっぺりとした時間を日々同じように過ごしている。
家に鳳仙という黒羊がいる。こいつは昔プレゼントしてもらったやつで、非常に可愛らしい。名は蒲松齢の聊斎志異から取った。彼女自身もいたく気に入った様子で一人称もまた鳳仙と言うようになった。
私が何か作業をしてはすぐに疲れてベッドに移動するとのこのことついてくる。寝室は他の部屋よりも少し肌寒く、鳳仙のふかふかな毛が暖かい。私は横になっている時に思索する癖があって、そのせいで非常に寝つきが悪いのだけれど、だからものを考えるときはベッドに入るか、夏などは書斎の畳の上でごろりと寝転がることにしている。
ここ最近は作業量に対して横になる時間が非常に増えてきており、自分の怠惰を心配している。やらない理由として、ものを考える、勉強をすると言って免罪しようとしているんじゃないだろうかという焦燥である。椅子に座っていると焦燥が激しいから、逃げるようにベッドに潜り込む。そして時間が過ぎていく。パラドクス。
焦燥は精神に紙やすりで撫でられるような磨耗がある。疲れてしまう。だからますます寝るのであるが、それがまた新たな焦燥を生むのだ。こうやって懊悩しているところ、鳳仙は後ろからひょこひょことついてきて、一緒に横になる。彼女は寝るのが大好きなので、私の悩みとは裏腹に、ここ最近の生活は非常に気に入っているらしい。それならそれでいいか、と私も思うことにしよう。
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