第十三段 長崎前
海が近いというのは長崎の特徴であるが、それというのもこの長崎半島が
そのような時に心を満たすのが、
宵近し 鶴の港を
子供をお断りする店であるが、これも並の子供が寄ってしまえばつまらぬ思いを抱いたままに帰すことになってしまうという大将なりの気配りなのかもしれない。互いの領分を侵さぬことが幸せなこともあろう。
では、子連れの方々は長崎の鮨も味わえずに帰らざるを得ないのか、といえば必ずしもそうではない。子供も楽しみやすいということを考えれば、回転寿司である若竹丸はいかがであろうか。無論、色々と旨い鮨屋で子供が入れるところもあるが、鮨を食べ慣れぬ子どもがいる場合には様々なものが味わえる店の方が良いのではないか。
それに、若竹丸自体は大人が行っても楽しめる回転寿司屋である。長崎県内に複数の店を抱えるが、長崎漁港からの仕入れもあり、その魚は上々である。他のチェーンを知らずに伺い、後にそうした店を訪ねて
そして、この若竹丸は店舗網を広げながらも折での利用客にも優しい。寿司はその場で食べるのも良いが、何かの祝いや歓談の場を飾るのにも良い。中学時代の友人たちと帰省の折に集い、その際に利用した覚えがある。他の料理の中に在っても放つその長崎の輝きは、それだけで異郷より戻った私の心を潤し、卓上を
長崎は 異郷を迎え 一貫の 寿司にも残る 甘き在り方
長崎の出前寿司も今は下火である。
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