第二部:不死の魔女と華奢な天才

第17話 柳葉刀と居合刀

 新世界党が滅亡した後の廃都。ボロボロになった日比谷公会堂の前に、一人、抜き身の刀を持っている姿。


「Web小説時代を代表する作家、古月。彼にはもう一つ、「剣客」としての生き様があった――」


 TAKUさんが瓦礫の上でカメラを回しながら言う。


「私の小説のあらすじそのまんまじゃないですか。もうちょっと工夫してくださいよ」

「刃が見えない。もう少し斜めに」


 しぶしぶ古月さんが構えを変える。いい感じですねと言ったところで、背後に何かの殺気。


「そこの男、新世界党の残党と見うけました」


 影の中から男の声。大魔神こと宮崎さんだ。


「えーと、どなた? 私、今帰国したばかりなんですけど」

「武術の末席に居座ってる者として、武芸者を見ては黙っていられないのです」


「ああ同類ですか。では一つ、勝負と行きましょう」


 中国武術と日本居合道ここに衝突。派手なアクションスタントで時計台から市場に落ち、トウモロコシの山(屋台)をぶちまけたと思ったら、車が回転しながら飛び込んできて派手に爆発したりする。このあたり、エンディングのNG集も気になります。ちなみにこの勝負、メインストーリーと何も関係ないからね。


【登場人物紹介】 


古月さん:武術・創作クラスタ(中国武術・武侠小説)

江湖の侠客。事件終結後に東京に到着、出遅れを悔やむが、倒れたビガンゴの背後に何者かの殺気を感じ黒幕の存在を知る。真相を追求するため柳葉刀を手に、単身で廃都へ乗り込む。

--

剣侠李白

https://kakuyomu.jp/works/1177354054880213703


宮崎さん:武術クラスタ(無双直伝英信流)

居合を納めるムスリム。ビガンゴ討伐後に黒幕の気配を感じ、大魔神へと変身、アッラーの導きに従い東京へ到着。お互いと敵と思い込み古月さんと一戦を交えるが、その後和解、国籍も宗教も超えて共闘に至る。


TAKUさん

映画監督。古月さんと宮崎さんを取材し、自らカメラを取り東京へ。本編は以降、TAKUさんの記録を元に記述される。

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