第12話 グダグダ抵抗戦

 東京中心部は壊滅状態で通信も交通も大混乱。しかしその時、プレハブに作られた抵抗組織の司令部に二人の姿が現れた。


「皆さんご安心ください。私たちにお任せくだされば、今すぐにでも戦闘組織を二部隊編成、たちまち都心を奪回できます」


 カーネルサンダースのような容貌の男が言った。


「誰だ君たちは」


「私はKFC。現代によみがえった幻の必殺拳である骨法と一切無関係な男です」

「はあ?」


 隊長が視線をそらして隣の女へ目を向ける。


「ええと、そちらはたしか県庁の徴税職員」

「それ表の顔。実は任侠団体なんす。このまえ組長になったよ」


「飛野さんでしたっけ。ずいぶん正直ですね」

「だって、ピストルぶっぱなせそうだし」


 二人の後ろにも何人かがついてきている。


「あの、ぼく、もう帰っていいでしょうか」

「にゃーん」

「展開が投げやりすぎませんかねこの話」


 KFCさんと猶さんの後ろでしどーくんとうさぎさん、机さんが口々に愚痴る。自警団なのかネコの愛護組織なのかハッキリさせろ。骨法。


「紫藤さんとうさぎさんは帰ってもいいですが机さんは前線ですよ」


2人の手が机さんの両腕をがっしりつかむ。


「うぇーい。どうせそうなると思ってました」



【登場人物紹介】


■KFCさん:武術クラスタ(総合格闘技)

抵抗勢力にてショーグンさん、菅さん、西紀さんらと合流。骨法隊を組織し前線で活躍する。なお骨法隊の戦術は総合格闘技であり、本人も隊のメンバーも骨法は一切使わない。


■猶さん:創作クラスタ(異世界ファンタジー・現代ドラマ)

抵抗勢力に武器を売りつけているヤクザ飛野組の組長。表の顔は公務員だが、自らもシグザウエルとシースナイフを携え新世界党に正面から攻撃をしかけ、一時期皇居と霞ヶ関を奪回する。

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魔獣密猟取締官になったんだけど、保護した魔獣に喰われそうです。

https://www.kadokawa.co.jp/product/321812000434/



■うさぎさん

ネコ。うさぎというのは世をしのぶ仮の姿。マンションを破壊されて抵抗勢力に逃げ込むしどーくんの保護を受ける。



■机さん:武術クラスタ(詠春拳)

詠春拳を使う山梨の武術家。同志を救うため上京し、前線を希望するがなぜか猫の世話に回される。本人もこれでいいやと納得していた矢先、仲間に見つかって抵抗勢力の最前線に立たされる。

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山梨ボードゲーム研究会「きゅうらく」

http://q-raku.blogspot.com/

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