第三部:異世界は二刀流でできている

第63話 まだまだ終わらない

 師範とよしみんぱとりんとの最終戦はそれはそれは描写するのもはばかられるような世紀の一大決戦であったが、詳しくは一つ前の第62話(原稿紛失)に書いてあるのでそちらを読んでいただきたい。


 かくして決着はつき、よしみんとぱとりんは倒れ、無職柔術師範はまた無職の道へ戻るのであった。


#そういえば師範就職したんだよな

#しかしそれはまた別の話


「ボク将、生きていることに気づく」

「どうやら仮死状態になっただけみたいだね」


 団長と水無さんが立ち上がった。


「ロレンスの秘薬だからね。ロミオが飲んだ方なら危なかった(´・ω・`)」

「わざと手加減してくれたのかなあ……?」


 夏炉冬扇さんとアルパカも起き上がった。


 全員が集まっていく中央には、二人、手をつないで目を閉じている、無職柔術に葬られた姿があった。


「これが東京を恐怖に陥れた、ぱとりんとよしみんの最期かあ。人の死って、意外とあっけないよね」


 シグザウエルをホルスターに納めて猶さんがつぶやく。


 しかしこれで大団円かと思ったその時、カメラを回していた託也さんが快音に空を見上げた。


「まて、あの音はなんだ?」


 つられて全員が空へ目を向ける。鳥の姿をした鷦鷯飛蝗さんが大きく息を吸い、そして空気を震わせた。


「諸君、時は満ちた。二人を打ち倒した勇者たちよ、今こそ異世界へ招待しよう」


「なんだ、あいつは?」


「星を蹴った

 遠のく背に

 逸れて滑った

 薄氷の澱」


 呪文と同時にその場に集まった歴戦の者たちへ、幾星霜のトラックが舞い降りてきた。そして群衆が大空へ舞い上がり、異世界へ吸い上げられていく。


「なにか一つ武器とスキルがもらえるはずなので、創始師範のドスでももらいましょうか」

「無想転生が使えれば戻ってこられますよ!」


 KFCさんと巴会さんが宙に舞いながら話している。


「ラノベでお約束の奴だ Σ(・ω・ノ)ノ」

「祈祷じゃお祓いできそうにないね!」

「あたし、知ってるんだ……わけがわからないっていいたいけど、実際わけわかんないけど、でもこういう展開になるってわかってたんだ……」


 栞さん、秋保さん、佐久良さんも、子供たちを守りながら家族そろって転生した。かくして次から最終章に突入する。


【登場人物紹介】


託也さん:映画クラスタ

アクション映画の撮影スタッフ。魔族登場から戦乱終結までの惨劇をカメラにおさめ、命脈尽きた首魁の赤坂パトリシアとよしみんの埋葬を撮影中に響いた快音を受け、空へカメラを向けた。


鷦鷯飛蝗さん:創作クラスタ(SFほか)

木星から来た鳥の姿の使者。この物語の道案内。大地震と共に異世界へ転生させられた集団に世界の目的を告げる。それによると、異世界に存在する武術にまつわる文献を発見するため、3人の学者を訪ねる必要があるとのこと。

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木星の鳥

https://www.alphapolis.co.jp/novel/766372442/18163445

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