第35話 廃都は騒々しい
「すばらしい! ついに古代魔術の秘薬が完成した! 俺は天才だ! ヒャッハールルイエへの道は近い!」
「ルルイエじゃなくて異世界から来たんだけどなあ」
シール君がついに魔族を撲滅する秘薬を作ったそうだが、それは人間に害はないのだろうか。原料を調達した秋田川緑さんが微妙な目で見つめている。
その隣では、近くの縁石に腰かけた真文さんのつぶやきにイワトオさんが相槌を打つ。
「仕事するって大変ですね」
「本来大変じゃないものが、なぜか大変になるところが問題なような気がします」
魔族と都庁ロボが衝突するまであと数時間という緊迫した状況だが、それでも日々の生活に身を置く人々の毎日はそうそう変わるものでは無い。
「魔女赤坂の放った先遣隊を倒しました。これで銃と斧と空手を組み合わせた全く新しい武術が作れます」
「たしか手足って四つしかないはずなんだけどな。あと二つくらい増やしたほうがいいんじゃないかな」
無空さんの抱える武器を眺め、ぼくです君が言った。しかし悠長な空気の中、クラウザーさんとカメさんがすでに敵方へ拉致られたという噂もある。奪回作戦は成功するのか。そしてこの話に落としどころはあるのか。毎日作者が各方面からの怒られが怖くて冷汗を流しながら書いているが、サッパリ思いつかないらしいぞ。
【登場人物紹介】
秋田川緑さん:創作クラスタ
異世界から来たきのこ。東京が魔界化してからは異世界の知識を生かしてレストランを開業しつつ、様々なきのこの養殖により毒と薬の原料を提供、主にシール君に感謝される。
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罰 ~The inherited sin〜
https://kakuyomu.jp/works/1177354054890396697
真文さん
生き別れになった恋人を探しているが、生計を立てるために就職。騒乱の状況にありながらも淡々と生活を続けるが、髪の色が特殊だということで魔族の仲間を名乗る錯乱した群衆に拉致される。イワトオさんと協力して監禁状態から脱出、以降戦線に身を投じる。
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揺れる
https://kakuyomu.jp/works/1177354054889923508
無空さん:武術クラスタ
謎の死を遂げた魔族の武器を入手、銃と斧と空手を組み合わせた全く新しい武術を創始して前線に参加。後半ではこれに弓と槍となぎなたが加わってわけがわからなくなり、無でも空でもないだろうというツッコミを受ける。
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真人道のブログ
https://ameblo.jp/sinzindou
ぼくです君:創作クラスタ
魔族に拉致されていた労働者。来ているものが横縞ばかりで最初囚人と勘違いされる。抵抗軍に救出されてからは絵画の才能を見出され、組織のデザイン担当になる。
クラウザーさん
廃墟の中をさすらうロッカー。超能力でスプーンを曲げたところ魔族の仲間かと勘違いされ襲われ、申し開きがあるかと責められた際に魔王であると主張、もっとひどいことになるが、偶然現れた本物の魔族のせいでグダグダになり一名をとりとめる。
カメさん
カメ。地下から現れた魔族と一緒に地上へ脱出。抵抗勢力に紛れてダンスに興じる。カメは世を忍ぶ仮の姿ですと大声で喧伝して回るので誰もカメだと思わず襲撃されまくる。本当にカメなので黙っていればいいのに。
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