概要
人間の少女と、昔は人間であった虎の物語。
栄の国には女子は成人の証に歯を抜く風習があった。しかし都・楽安で育った史湘雲(ししょううん)は父の方針で歯を抜かないまま十九歳を迎え、気ままに書画を愛でて暮らしていた。その年、楽安では虎が出て人を襲うという事件が起こり、人々は北の敵国女仮(じょか)の仕業ではないかと怯えていた。六十年前に女仮に敗れ領土の北半分を奪われて以来、栄人は女仮を恨んでいたのだ。
春先に父が突然病死し、湘雲は歯を抜き結婚する段取りとなるが、夏至祭の日に事件が起こる。男に襲われかけた湘雲は人語を話す虎に助けられたものの、それが原因となり「虎使いの女仮人だ」と容疑をかけられてしまったのだ。混乱の中、危うく殺されそうになった湘雲をふたたび助けてくれたのは、あの人語を話す虎だった。虎は湘雲に向かって、「俺も元々は人間だった
春先に父が突然病死し、湘雲は歯を抜き結婚する段取りとなるが、夏至祭の日に事件が起こる。男に襲われかけた湘雲は人語を話す虎に助けられたものの、それが原因となり「虎使いの女仮人だ」と容疑をかけられてしまったのだ。混乱の中、危うく殺されそうになった湘雲をふたたび助けてくれたのは、あの人語を話す虎だった。虎は湘雲に向かって、「俺も元々は人間だった
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