概要
外見も思考も同じなら、偽物だっていいんじゃないですか?
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!信じるときの境界線とは何か
自分自身も科学寄りの人間なので、きちんと研究・実験され、理論が確立しているものを信用する傾向にあります。そして実際に自分の目で見て確認することで、その信用を強固にしています。
作品に登場する主人公も科学をテーマにした喫茶店を経営し、自分で見たものだけを信じることに重きを置いています。しかし目の前では説明が付かない不思議な現象が起きていて・・・。
あらゆる物事・人を見かけたときに、それを信じるかどうか、騙されているのではないか、何が正しいのか、間違っているのか、人はそれぞれの思想や信条・経験などからそれを判断して、常に振り分けをしています。ただ材料不足によってどちらとも判断が付かないものという…続きを読む - ★★★ Excellent!!!非現実に触れたって、世界は何ひとつ変わらない。
短編集「科学喫茶」シリーズを締めくくる長編小説です。短編集から先にご覧いただいて、次にこちらを読むのが、一番味わい深く楽しめると思います。
店主の猫目緋子と、常連の小学生・七ツ森夏乃佳。それから、それを取り巻く魅力的な人々。科学を信奉する女と霊能をもつ少女、「違う世界」「違う日常」を見ている彼女たちの足取りが重なって、「当たり前」が揺らいでいく。否定してきたものに直に関わらざるを得なくなったとき、見極めねばならなくなったとき、緋子は。
非現実に触れたって、世界は何ひとつ変わらない。
滲むような夏の色。陽炎の向こう側。
本物と偽物、現世と幽世、すべて、よしなしごと。