第15話 夫をお父さんにする 1
さて、赤ちゃんと夫婦3人の生活が始まりました。でも、夫の平日の生活はほぼ変わりません。
私はもともと夫に何も期待していなかったので、1人で子育てをするつもりでした。
ですが、それでは家族として寂しいものがあります。
休みの日は、赤ちゃんを抱いて
「パパ〜。ちゅっ、ちゅっ。」
と夫の頬に赤ちゃんの顔を擦り付けたり、赤ちゃんの手で顔を撫でたり、なるべくこちらから夫に関わりました。
わざわざ、忙しそうにして
「パパ〜、ミルク飲ましてやって〜。」
「パパ〜、おしめ替えてやって〜。」
「なんだかパパがやると嬉しそう〜。」
夫にしてみれば、女は赤ちゃんを産んだら一人で育てるのは当然で、『自分は手伝っている良い夫』という世代ですから、かなり良い父親になったつもりでいたと思います。
一緒に公園へ散歩に行こう、と誘えば
「え?なんで俺が?行きたいのはお前なんだから赤ちゃんを連れて行って来いよ。」
と言うので、
「一緒に公園に行けたら幸せだと思えるんだけど‥。」と拗ねてみたり。
一歳の赤ちゃんが朝起きてハイハイをしておもちゃ箱に突進しておもちゃで遊び始めると
「うちの子大丈夫か?起きてすぐに遊ぶっておかしいだろ?」
と言うので、人間の脳みその発達について説明したり。
「ママじゃないと泣くから〜。」と言う夫に赤ちゃんを抱かせて留守番させて買い物に行って来たり。
夫は赤ちゃんを抱いているくらいなら買い物に行ったり茶碗を洗ったりした方がマシだと思っているようでしたけどね。
そして、仕上げは夫が仕事から帰って来ると
「パパだー!パパだー!やった〜!」
と嬉しそうに走って玄関に行き夫に抱きつくのです。
そして、娘の手を取りピョンピョンしながら「パーパ、パーパ、パーパ!」と。
二歳くらいになると自ら私と同じ行動をとるようになり、さすがに夫はデレデレになりました。
「ママのパパよー?」と言い夫を独り占めしようとして見せると
「あーちゃんのパパよー!あーちゃんのパパよー!ママダメー!」と足にしがみつく我が子が可愛くならないわけないよね。
大成功です。
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