第29話 次女の飲酒喫煙事件 1

 今年1月の次女の看護学校辞めたい騒動の後、静かな生活を送っていました。


 次女は2月生まれでその時18才でした。


 アルバイトをしながら看護師になるための勉強をしている自慢の娘です。


 娘は友達が多く周りの人によく可愛がられる性格で付き合いの広い子です。


 友人宅にもよく泊まりに行ったり、夜遅くまで駄弁って帰りが遅くなることもありました。

 きちんと前もって遅くなると伝えてくれて晩ご飯がいるかどうかも伝えてくれれば帰りが遅くても良いことにして門限は無しにしていました。


 しかし、看護学校を辞めたい騒ぎの時に、門限を午後9時に決めました。

 課題をしたり試験勉強をしたりする時間の確保が自分で出来ないので、無駄に追試を受けないためにも必要だと言い聞かせ決めました。


 そんな時、遊びに行った次女から

「今日だけは門限を11時にして!お願い。今日だけは9時は無理。」

 とLINEが来ました。

「決めたことは守らないとダメです。この間、学校を辞めたいといってから1ヶ月も経ってないのに。」と返信しました。


 すると「今日だけでいいから、今後は門限を8時にしてもいいから。ホントお願い。」

 とひつこくLINEが来ました。


 仕方ないので「10時までには帰っておいでよ。11時は遅過ぎだからね。」と返信しました。

 それでもお願いお願いとひつこくLINEをよこすのでこれは何かあるなと思い

「いい加減にしろ!!」

 と返信しました。


 それからLINEは来なくなり、9時半に家に帰って来ました。

 私はその日、疲れていたのでベッドに横になっていました。

 次女はご機嫌で

「ママ〜、約束守ったよ。10時までに帰ったからね〜。エヘヘ〜。」とお酒の匂いをプンプンさせていました。


 ああー、やっちゃったか、ガッカリですよ。


 半年ほど前にテーブルにタバコとライターが置いてあったので、

「え?次女ちゃんの?」

 と聞くと

「あ、これはNちゃんのよ。禁煙したいから預かってって言われて持ち歩いてるんだ。」

 と言っていたことがありました。


 この時のことがあったのでタバコも吸っていると気が付きました。お口の臭いを消すミントのタブレットを持ち歩くようにもなっていました。


 その日は、

「うん、うん、門限を守って偉かったね。」

 と受け流し次の日に話し合いをしようと思いました。


 思いましたが、気がずっしり重くて寝られませんでした。

 スマホで未成年の飲酒喫煙について調べまくり、対処方法を考えました。


 もちろん、夫にも次女の飲酒喫煙を伝えて明日の夜話し合いをするつもりだと言いました。


 わかり切っていることですが、夫はもう少しで20才なんだからいいんじゃない?と言っていました。

 一昔前はそういう感じでしたし、実際、私も高校生くらいから梅酒を飲んで酔っ払っていました。でも今は時代が違います。


 親が未成年の子どもの飲酒喫煙を指導しなければ犯罪になるのです。

 

 夫が言います。

「叱ってブチ切れたらどうするの?

 出て行けとか行って家出したらどうするの?

 優しくしてやらないと。子どもなんて少しくらい悪さするもんじゃない?

 いちいち怒らなくてもいいと思うよ。放っておけばいいよ。何ならもうやめとけよって言うくらいでいいよ。」


 これは、次女が看護学校を辞めたいと言った時も言っていました。

 夫は次女に「パパはチョロい。」と思われています。


 1番まずい子育てだと私は思います。

 夫は自分が育ててないからわからないのかもしれません。


 次女は親に怒られて家出するような子ではありません。

 私はそんな子育てはしていません。

「出てけ!」と間違えて言ってしまっても、きちんと言い返してきます。

「ママ、出てけ!って言ったよね。あれは本気な訳?最低よね。親の資格あるの?」

 てな具合です。


 夫に、キッパリと言いました。

「私は子育てには、人としての正しい在り方を教えることが必要だと思ってる。

 子どもに気を遣ってなんでも許す気はないから。

 人として成長するための手助けをするのが子育てよ。

 親がどれだけ真剣に子どものことを考えて悩んでいるか見せることも大事だからね。

 子どもが親になった時にキチンと子育て出来るようになって欲しいから。


 甘やかすだけの子育ては、目の前に少しでも辛いことがあったら逃げるような駄目な人を作るだけなんじゃない?」


 ええ、ええ、最後の一文は夫のことです。

 何気に仕返ししてます。フッ

  


             つづく

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