第35話 家族で食事をするということ 1
昔のことです。
私のピアノのレッスンが忙しい土曜日、ササッとお昼ご飯にチャーハンを作った時のこと。
夫が出来上がったチャーハンを見て
「俺、チャーハンはいいや。うどん食ってくる。」
と子どもの前で言ったことがあります。
まだ私が夫に強く言えなかった時期のことです。
「え?それならみんなでうどん屋さんに行きたかったな。自分だけずるくない?せっかく作ったのに。」
と不満気に言うと
「あー、もう行かなければいいんだろ!!
チャーハン食うよ!!」と言われました。
まるで私が悪いような言い方です。
その時のことをだいぶ経って
「あれ、作ってくれた人に失礼よね。」
と言ってみました。
すると
「なんだよ!!結局うどん食いに行ってないだろう!それなのに文句言うのか!!?」
と言われました。
俺様は我慢して不味い飯を食ってやったと言わんばかりです。
その時はそこで黙っておきましたが、夫を泣かした事件の後にまた言ってみました。
「妻が忙しいのに家族のために作った料理を不味そうとか言う理由で子どもの前で自分だけお店に食べに行こうするってモラハラっぽいよね?」
と言ってみました。
すると
「何回も言うよな、しつこいんだよ。ちゃんとチャーハン食っただろう!!」
「何回もって、私はすごく傷付いたから。
毎回はじめての気持ちで言わせてもらってるよ。だって、チャーハン食えばいいんだろって、私が悪いみたいな言い方よね。
謝ってもらわない限りは忘れることは出来ないから何回だって言うよ。」
しばらく黙っていましたが、
「あの時は俺が悪かったです。すみませんでした。」
と言いました。
もうね、収まりを着けたいだけですよ。
それでも少し気が済みました。
夫は、大抵午後から買い物に行くと言います。
新聞の折り込みチラシを三枚テーブルに並べて何を買うか決めるために、いろいろといる物を聞いて来ます。
近所に結構スーパーや小売店があります。
各店舗の安売りを見て大抵2店舗に買いに行きます。
夫が2回買い物に行く時と一回ずつにして私も行く時があります。
夫だけが行くと私がいる物が買えないからです。例えば娘たちが食べるお菓子とかパン作りの材料とか作らない人にはわかりにくいですので頼み辛いのです。
値段を見て買い物ができるようになったのはいいのですが、作るのは私という前提で聞いてきます。
お前が考えてお前が作れ!
と心の中で言いながら
「あー今日は生徒が沢山来るから途中で作れるかなぁ、しんどいなぁ。」
と夫に振ってみます。
すると夫は
「あー。それじゃ各々にしよう!」
と言います。
各々とは、もう娘たちも大きいので、それぞれが好きなお弁当などを買ってくると言うことです。
ホント謎です。
何故、私だけが忙しいと各々になるのか?
お前は暇だろう?
お前が作れよ。
と言いました。あ、お前じゃなくてね、ちゃんと
「パパが作ってくれたらいいんじゃない?
私が出張レッスンに行っている間は台所が使えるから。」
「えっ?なんで?面倒くさいから各々にしようよ。」
さあ、説教の始まりです。
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