エピローグ side和馬

「そう言えばさ」

「ん、何?」


 机に向かって作業をしていた咲が振り向く。どうしたんだろう。

 ここは咲の部屋。文化祭が終わって遊びに行ったらここに通された。


「いや、和馬がいつ私のことを好きになったのか、そう言えば聞いたことなかったなって」

「そういや、そうだっけ」


 確かに、話したことはなかったかもしれない。


「小学生の時さ、女子といつも遊んでるっていじめられたことが合っただろ?」

「そう言えば、そんなことあったっけ?」

「あの時さ、咲言ってくれたじゃん。そんな些細なことで嫌いになるわけないって。そう言ってくれたのがうれしくてさ。それで、思ったんだ。なら俺は咲のことを嫌いにならないようにしようって」

「恥ずかしいことを平気で言うな!」


 なぜか怒られた。理不尽だ。


「なんでそんなことが気になったんだ?」

「なんでもない」


 そう言って、咲は机に向かう。何があったんだろう。まあいいか。

 結構かわいらしい部屋だ。まあ、一目で音楽やってるのがわかる部屋だけど、女子っぽい所もあって、咲って面白いなって思う。


「はい、これ?」

「あ、うん。なにこれ?」


 咲から紙を渡される。


「前に、約束したでしょ。和馬の曲を作るって。和馬のこと考えながら書いたから、はい」

「ありがとう、すごく嬉しい」


 そう言うと、咲は顔を赤らめた。


「うん、最高の出来だよ。ありがとう」

「まあ、ね」


 俺たちのバンドに合わせた仕様になっていて、取ってもかっこいい。俺のための曲だった。


「咲、大好き、愛してる」

「な!? そんな恥ずかしいことを平気で言うなよ!」



 俺、仁科和馬には幼馴染がいる。幼稚園からずっと一緒で、仲が良く、かっこよくてかわいい。透き通るような白い肌に、少しグレーの瞳が特徴だ。


「それじゃあ、咲は俺のこと好きじゃないのか?」

「そういうわけじゃないけど」


 そしてスレンダーな体形で外国人の血が入っていて、ちょっとツンデレみたいなところがあるけど、でも天使みたいな。


「俺は咲のこと好きだよ」

「私も……、和馬のこと好き」



 そして、とってもかわいらしい俺の彼女だ。

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幼馴染が落ちません! 蒼原凉 @aohara-lier

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