概要
――四百年の想いが、夏の風にほどけていく……
高知県吾川郡仁淀川町。
四百年の歴史を持つ寄相神社神社には、夜な夜な神楽を舞う“人ならざる存在”がいた。その者は、かつて主であった黒川定吉と言う男を失い、彼の意志を守るために神社に留まり続ける猫の妖、狸奴《りと》である。
ある夏、神社を訪れた女子大学生・藤岡加奈子は知らぬはずの景色や感情を夢に見る。理由もない懐かしさに戸惑う彼女は、狸奴と出会った事でその謎は繋がり始める。加奈子は真吉の子孫であり、二人はかつて主従であった縁を継ぐ存在だったのだ。
互いに惹かれながらも、主従関係を結べば“再び一人になる”という恐れから、狸奴は加奈子を拒み続ける。加奈子もまた真吉の想いを継ぎながら彼を支えたいと言う願いのすれ違いが続く。だが、妖狐や鞍馬天狗、そして亡くなったはずの真吉の声に背を押された狸奴は、
四百年の歴史を持つ寄相神社神社には、夜な夜な神楽を舞う“人ならざる存在”がいた。その者は、かつて主であった黒川定吉と言う男を失い、彼の意志を守るために神社に留まり続ける猫の妖、狸奴《りと》である。
ある夏、神社を訪れた女子大学生・藤岡加奈子は知らぬはずの景色や感情を夢に見る。理由もない懐かしさに戸惑う彼女は、狸奴と出会った事でその謎は繋がり始める。加奈子は真吉の子孫であり、二人はかつて主従であった縁を継ぐ存在だったのだ。
互いに惹かれながらも、主従関係を結べば“再び一人になる”という恐れから、狸奴は加奈子を拒み続ける。加奈子もまた真吉の想いを継ぎながら彼を支えたいと言う願いのすれ違いが続く。だが、妖狐や鞍馬天狗、そして亡くなったはずの真吉の声に背を押された狸奴は、
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!彼女はこの旅の終わりに、何を得るのだろうか
【物語は】
ある者が、声が聞こえ思案に耽るところから始まる。それは幻聴なのか、それとも現実なのか。その相手を待つある者に、イヤな予感が過る。これは、始まりの章。全ての始まりであり、経緯がここに記されている。
本編が始まると、少し雰囲気が変わり、主人公の視点となる。まずここで凄いと思うのは、時代らしさを産むという拘り。ページが変わっただけで、時代が変わったのだなと感じ、自然に切り替わる。しかも、読みやすい。主人公がここにいる目的や、どれほど何に興味が惹かれているのか。一般的な感覚と自分の感覚との違い。それにより、拘りなども表現されていく。彼女は宿にて土地の情報を得るのだが、その中で一番興味を惹…続きを読む