第33話 叱られること
こんばんは。
今日はちょっと頭の痛い話を。
最近、部下を叱ることがありまして、そのことで思うところがあるのです。
私の部下にはパートさんで物凄く年上か、社員の少し若いくらいの子、そしてアルバイトの大学生がいます。
アルバイトの子達には、そんなに怒りませんが、社会に出た時に困らないように、それなりに注意をすることはあります。しかし、よっぽどでないと「叱る」ことまではしません。
社員の子にはかなり叱ります。それは経済活動する上で利益を優先するのが会社であって、社員にはその責任があるからだと思っています。もちろん、お給料をもらう以上はパートもバイトも社員も関係ありませんが、その責任の重さは変わってくると思います。
だから、みんなの失敗の責任を取るのは上司の私だと思っているので、その彼らを守るのは私の仕事です。
さて、問題の社員の子を叱った時のことです。彼は真面目なタイプで冗談ができるような人ではありません。
「何でこういう結果になったと思う?」
と聞いたら、なんと返事の代わりに欠伸が返ってきました。
そういえば、子供は叱ると欠伸するよな、と思い出してしまい、この子は逃げたい症候群なのか?と次の言葉が出ません。
現実逃避もいいけど、今叱られてんねんで?と突っ込みたいのをこらえて、彼を注意深く観察。
もう聞いてないな、と判断できたので、話を切り上げる事にしました。
「時間あげるから、なんでこうなったか考えてみて。それから今後どうしていかなあかんのか、報告して」
とは言ったものの、釈然といない。
自分が怒るのはプライドを傷つけられたり、現状に満足できない時ですが、叱るのは、言いたくなくても本人の為とか、会社の為です。
だから、叱るときは言葉にも注意するし、叱る本人の性格も考えながら言葉を発しますが、まさか欠伸で返されるとは思っていなくて、正直当惑しました。
叱る技術とか上司が読む本とか出版されているのは知っていますが、そのどれも読んだことはありません。だから駄目なのか、とちょっと自信なくしかけましたが、叱るのはとても体力がいるし、頭も気も使うし、私の方が避けたいくらいですが、叱られることによって、その子が伸びるチャンスだと思うし、叱らない訳にはいかないのです。
実は私は不器用で失敗ばかりの叱られてきたタイプです。その分、取り返そうと努力したし、叱られないように頭をフル回転させて仕事の効率を上げるにはどうしていったらいいのか必死に考えて来ました。
だから、今の立場があるし、信用も得られた。
だから、叱ることは相手にとって悪い事じゃないという偏見があるのかな、と思い直しました。
叱られることが駄目な子にはどうしたらいいんやろう?
それを考えるのが今後の課題となってしまいました。
そう言えば、アルバイトの大学生に、分からない事を上司に聞かずにほったらかしにしないで、と注意したら、その子は次の日から何の連絡もなしに来なくなりました。案外、そう言う子はたくさんいます。
小さい頃に怒られたりしなかったのかな、と思います。まあ、色々な事情はあるとは思いますが。
そう思うと、叱られることにも慣れてもらわないと、と思えてきました。
私のモットーは「反省しても落ち込むな」です。
そりゃ、たくさん叱られてきたので、浮上できない毎日では先に進めなかったし、落ち込んでたら回りが見えなくなる。そしてまた失敗する、の悪循環。なので、反省はする。けれども落ち込まない、と自分に言い聞かせてきました。
こう見えて、「気にしぃ」なので落ち込まないってのは難しいものです。
人に叱られにくくなった年齢で、まして上の立場になってしまって、正直自分を律するのは大変やなあ、と思います。自分に突っ込み入れまくりの日は正直誰にも会いたくないくらい落ち込むし、引きこもり発動しちゃいますが、大人なので、普通の顔してなきゃいけない。
言われた言葉も言った言葉も思い返しては後悔して沈んでしまう。
大人って複雑な生き物やなあ、と思ったり。
逃げ出したくなったり。
自分の意志を曲げて言わないといけない事があったり。
言葉足らずの私は社交性に欠けるので、言葉選びは慎重になります。
急に話を振られて慌てたり、返しが上手くいかなくって焦ったりなんて毎日です。だから、年齢に関係なく、ご挨拶が上手な人や会話の切り返しが上手な人がいると尊敬の眼差しをもって見ています。
まるで英会話を習うように、その発言をマネしてみようかな、と思うのですが、やっぱり母国語となると私には私の言葉があって、人の言葉がうまく自分に馴染むには時間が必要みたいです。となると、自分の言葉で返せるようになるまでには相当時間がかかっちゃうのです。
こうして文章を打つのは好きなのですが、それも上手くは書けません。話すよりも本を読んできて、その言葉たちが自分の中に蓄積されているからこうして文章が書けるのだと思いますが、話すのも書くのも伝える手段だと考えると、両方上手くないのは問題ですね。はて、困った。
巷で話題のアンガーマネージメント。それを勉強すれば「叱ること」「叱られること」について発見があるかもしれませんね。
でも、それ以前に、コミュニケーションという人間同士の意思疎通の力が弱まってきているのかな、と不安になってくる今日この頃でした。
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