第14話 春といえば 

 春はあけぼの、って昔の歌人は言いましたが、私は春眠暁を覚えず、の方です。

 眠くて仕方ない。

 いや、春だけやなくて、いつもやん、って言われそうやけど、それは置いといて。


 春はどうして眠くてどうしようもないのでしょう?

 病気?っていう位眠い。

 冬の朝は暗いけど、春の朝は明るいから、いつの間にか朝が来たような気がして寝た気がしないとか?


 春は陽気でおかしな人も出てきますよね。あるところを露出している男性とか、ブツブツ言っているおばさん(私のことか?)とか。

 やっぱり、あれは陽気で気持ちいいから外に出てみようか、という動物的な行動なのでしょうか。そして、妙な気持ちになる。

 

 どうしてこんなことを書いているかと言うと、おかしな人達に遭遇する確率が高いので、もうすぐそんな季節やなとふと思ったからです。


 若い兄ちゃんに道を尋ねられて、ふと見るとアレをぶらぶらいじっておられたり、ブツブツ言っているおじさんに追いかけ回されたり、ヒステリックに叫んでいるおばさんと目が合ったり。

 遭遇すると、春やなあって思います。


 もう一つ忘れてはならないのが桜ですよね。

 日本人は桜が大好きです。散るから嫌って人もたまにはいますけど、お花見は皆さんお好きじゃないですか。

 私は夜桜が好きです。

 暗い闇の中に、ぼわっと白い桜がハラハラと散る姿にはゾクゾクしちゃいます。

 色気がありますよね。

 じっくり夜桜を鑑賞できるような時間はないのですが、仕事帰りに見上げる桜の木は本当に美しいです。


 でも、花が咲く前の、つぼみもまだ実っていないような時の桜の枝が、結構綺麗だと私は思うのですが、それはなぜか。

 何となくですけど、色が濃くなっているんですよね。

 赤い、というか。

 枝の先なんて、紅を密集させてたみたいになっている。

 そこからつぼみができ、花が咲く。

 命って凄いな、って素直に思います。


 花が咲き、命が芽吹く素敵な春ですが、妖しい陽気にご注意を。

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