概要
彼らを棲まわせているのは奇妙な病気だった
世間から隔離された病棟で、僕は彼らのカウンセリングをしている。
これは、奇妙な病気に侵された彼らの話だ。
これは、奇妙な病気に侵された彼らの話だ。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!彼らの《奇病》は美しい
この病棟には、複数の患者が隔離されています。彼らを蝕む病は、俗に奇病といわれる稀なものばかり。病に侵された彼らを護り、安らぎをもたらすべく病棟があるのか。それとも彼らを幽閉する檻でしかないのか。
真実は、彼らそれぞれの胸のうちにあるのみです。
ひとつだけ、確かなことは彼らの奇病は美しい。
時々互いの血液を入れ替えなければ、死に絶えてしまう姉弟。涙から蝶の痣が増え続ける娘と蔦が伸び続ける男。
奇病が繋ぐ、歪な絆もまた美しく。
カウンセラーの視点から眺めるそれらは、吐息が触れるだけでも崩れてしまうほどに繊細な、檻のなかに飾られた《芸術》のようにも想われるのです。
私はまだ《１０１号室》…続きを読む