前世の記憶を持つ男VS未来から来た女
世界は、今日も穏やかに廻っている――。
未来から来た女、榎本ましろ。
彼女は九條湊という男に嫌われるため、未来から過去に戻ってきた。
対して前世の記憶を持つ男、九條湊。
彼は前世の約束なんてと言いながらも、ましろに惹かれる自分を止められずにいた。
これは、ある理由から彼に嫌われたい女と、前世で添い遂げられなかったがために彼女をどうしても手に入れたい男の、犬も食わない戦いである――!
「ほんと、いじめがいがあって嬉しいよ、榎本さん」
「私はちっとも嬉しくないですよっ」
――世界は、今日も穏やかに廻っている。
時は巡り、抗うこともできない彼らは、この世界でとてもちっぽけな存在だ。
でも、そのちっぽけな存在は、だからこそ時に奇跡さえ起こすのだろう。