概要
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≪2020年7月14日追記≫
僕はこの作品を執筆した際、ジョージオーウェルの「1984」や伊藤計劃の「ハーモニー」を読んでいませんでした。これら二作を読んで「完全上位互換やん……」と落ち込みつつも、まだ彼らが扱っていない視点をこの作品で扱えたなと手ごたえも感じています。今後、この作品は書き直したいと思います。それまでしばしの公開です。未熟で恥ずかしい作品ですが、楽しんでいただければと思います。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!相手への思いやりを持てなければ死ぬデスゲーム
なんとなく最近、他人への思いやりを持たない人が増えてきたような気がする。
そんなことをここ数年、感じていた。
僕は長年商売をやっているが、自分を神様だと信じ込んでいるお客は増える一方だし、街に出てもなんだかちょっとやれやれって感じの人が多くて困ってしまう。
みんなが少しずつでも他人への思いやりを持てるようになれば、今よりずっと生きやすい社会になるのに……そう思わずにはいられなかった。
だから今作のあらすじを見た時、強く惹かれた。
思いやりを持てないと死んでしまうとは物騒だが、「相手を思いやる気持ち」という、今の競争社会では忘れられがちな人間性で生死を決めるのは、実に小説らしくて魅力的な設定…続きを読む - ★★★ Excellent!!!他者の気持ちを慮れば、世界は幸福になれるのか?
他者の気持ちを慮る。それは現代社会に必要とされるスキルなのかもしれない。しかし、それが社会システムによって管理され、判定され、慮ることができなかった人に死を持って制裁を下す社会ならばどうだろうか?
この作品はその問題に真正面から向き合った作品である。死をもたらすこのサイコゲームは、必然的に殺人という現象を引き起こす。そうなれば被害者と加害者が生まれることも、また必然である。加害者になってしまったレインや主人公たちは、このサイコゲームの真相に迫っていく。
何が正しくて、何が正しくないのか。もしかしたら、今までの我々の常識は、いつでもひっくり返る可能性を秘めているのではないだろうか。
考…続きを読む - ★★★ Excellent!!!それは歪んだ思いやりの形。近未来SFの世界観が魅力です!
舞台は、「相手の気持ちがわからなければ死ぬゲーム」が
政府によって導入された近未来の日本。
(詳しいルールは本編をご覧ください。)
いきなりどう考えてもまともじゃない政策なのですが、
この歪んだ世界観を説得力のあるものたらしめる設定の作り込みが、本作の魅力。
読み進めていくうちに、ディストピア感溢れるこの社会に入り込めてしまうんです。
魅力的なキャラクターもその要因の一つでしょう。
個人的に注目すべきは、大人の事情で初っぱなからショッキングな運命に翻弄されつつも、持ち前の勇気と行動力で切り抜けていく、中学生のちさちゃん。
時に見せる歳相応の可愛らしさで、シリアスな展開続きでも、彼女がいるとな…続きを読む