第41話

昔の着物を着た、おかっぱ頭の六歳くらいの少女が一人立っていた。


――村の子供?


清武はそう思ったが、三人の反応は違っていた。


「こいつか」


「一見、人間の子供に見えるが、明らかに人間ではないな」


「気をつけてよ。こいつ、強いわ」


「そう。本気でかからないと、私たちは死ぬことになるぞ」


「わかってるぜ」


三人が武器を構えると、少女が解け始めた。


その表現しか、清武は思いつかなかった。


やがて少女の姿は消え、赤黒い肉の塊が地にへばりついているのみとなった。


「あれ、なんだぜ」


「とにかく油断は禁物よ」


「なにか仕掛けてくるはずだ」


見ていると、その肉の塊が、べりっ、という耳障りな音とともに三つに分かれた。


そしてその一つ一つが、むくむくと膨れあがってゆく。


主に縦に伸びてゆき、やがてその三つはある形を成した。


一つは魁斗。もう一つは紫苑。


そして最後のひとつは飛燕。


醜い肉の塊は、三人とそっくりな姿となったのだ。

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