第9話
「おいおいおい。おいってばおい。ややこしいのって、まさかこの俺のことじゃないだろうな」
声がした方向を見ると、男が立っていた。
けっして背が高いとはいえない飛燕や紫苑と比べると高身長だ。
190センチはゆうにあるだろう。
それに黒をベースにした革ジャンに皮のズボン。
それらにはこれでもかと銀色ににぶく光る金属製のなにかがやたらと生えていた。
前髪の一部が直立しており、真っ赤に染められている。
それ以外は金髪というか黄色というか、そんな色だった。
パンクロッカーとビジュアル系を足してさらに何かをかけたような格好である。
野生的な顔はかなりの二枚目であるが、その表情は威圧的かつ攻撃的で、ちょっと怖い。
手には金属製の棒を持ち、その先端はハンマーのような状態になっていた。
いわゆるウォーハンマー、戦鎚(せんつい)という打撃系の武器である。
「あら、魁斗(かいと)。遅かったわね」
「おう、待たせたな。この俺が来たからには、もう怖いものなしだぜ」
どうやらこの男はかいと、と言う名前のようだ。
「はいはいはい。せいぜい頼りにしてるわよ」
魁斗は清武を見た。
「で、このあんちゃん、いったい誰だ?」
「それは飛燕に聞いてよね」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます