第10話

魁斗が飛燕を見ると、飛燕が言った。


「申し訳ない」


「おい、飛燕。まさかこのあんちゃんが近くにいたのに、飛んだんじゃないだろうな」


「残念ながら、その通りだ」


「まったく。で、このあんちゃんどうすんだよ」


「この件が終わるまで、この人は私が守る」


「そうしてくれると助かるぜ。小市民を守るのが役目なのに、小市民を見殺しにするわけにもいかないからな」


小市民とは、言うまでもなく清武のことだろう。


清武は苦笑いをした。


魁斗が転がっている化け物を見て言った。


「どうやら一仕事終わったようだな」


「ええ、このあたいがみんなやっつけたわ」


「いや、みんなじゃないだろう」


「そういえば飛燕も一匹くらいはやっつけたかもね」


「もうどうでもいいよ」


清武は三人をじっくりながめた。


一人一人でも感じていたが、三人そろうとよけいにアニメイベントに来たコスプレイヤーにしか見えなかった。


魁斗が言った。


「おっと、話はここまでだ。雑魚キャラがみんなやられたから、最初の中ボスがご登場だぜ」


見ればなにかいた。

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