第14話
「そうですよ。中心に親玉がいます。紫苑や魁斗に言わせればラスボスですが。その傍に二番目に強力なやつがいます。そのすぐ周りには、いわゆる雑魚キャラと呼ばれるやつの中でも一番強いやつがいます。そして親玉から離れれば離れるほど化け物はどんどん弱くなっていきます。先ほど戦った犬みたいなやつと人間の頭を持つ大鳥は、一番外側にいて一番弱いやつですね」
「となると紫苑って子が言ったとおり、奥に行けば行くほど化け物が強くなるってことですか」
「そうですよ」
「どうしてそうなっているんですか?」
「親玉の考えることは私にはわかりませんが、弱いやつほど数が多いのは確かですね。円は外側になるほど面積も広くなりますからね。私たちは真っ直ぐ中心にむかってますので、広さも雑魚キャラの数もそれほど関係はありませんが。おそらくこの陣形は、私の想像の範囲ではありますが、前回のように軍隊に攻め込まれた時のことを考えてではないでしょうか。外側には弱いけど数の多いやつがいて、内側になるほど数は少ないが強いやつがいる。これは攻める側から見れば、特に数で押してゆく場合は、けっこう攻めにくいですね。中心に向かうほど、どんどん戦力が減っていくわけですから。さっきの犬みたいなやつでも、普通の人間なら一対一でも勝てないくらいの強さがありますからね。そして生き残った数少ないつわものは、疲労がピークの状態でさらに強いやつと戦う羽目になるわけです。これはいろいろときついですね」
「では本当にこれからどんどん強いやつが出てくるわけですね」
「そうなりますね」
「ロールプレイングゲームと同じよ。経験値はもらえないけどね。ついでにお金も」
いつの間にか紫苑が清武の横を歩いていた。
ついさきいまで飛燕の前にいたはずなのに。まるで瞬間移動したみたいだ。
「そんなわけで、油断大敵よね。先頭のバカは油断しまくってるけど。気弱な戦士は使えないけど、強気すぎるのも考えものよね」
「魁斗は自信たっぷりだからな」
「今まで負けたことがないからね。でも今度ばかりは、そう簡単にはいかないわよ」
「そうだな」
清武が飛燕のほうへ顔を向けた途端、紫苑が飛燕の前に現れた。
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