第37話
一瞬、紫苑の肉欲的な曲線に目がいったが、それはあまりにも下衆な行為というものだ。
――待つか。
清武は三人が目覚めるのを待つことにした。
それ以外になにが出来ると言うのか。
ふと目覚めた。
待っている間にいつの間にか寝落ちしていたようだ。
あたりはすっかり暗くなっていた。
月明かりを頼りに目を凝らしてみれば、三人はまだ無防備な体勢で寝転がっていた。
――いつ起きるのだろうか?
清武はふと、今化け物に襲われたら、どうしようかと考えた。
が、あいつらに言わせれば、このあたりの中ボスあのスライムということになるのだろう。
なら中ボスを倒した今、ここで化け物に襲われる心配はないということになる。
だから三人も身体が動けなくなるのを承知で、気を全て使ったのだろう。
――仕方がない。
清武は再び横になった。
今の今まで寝ていたのだ。
そう簡単に夢の世界と言うわけにはいかない。
清武はためしに羊の数を数えてみたが、一万を超えたところでやめた。
いつの間にかまた眠ってしまっていたようだ。
気づけば日はすっかり昇っている。
時計を見ると午前十時。昨日は昼と夕方に寝て、少し起きた後にこの時間までまた寝ていたことになる。
普段なら考えられないことだが、今なら充分に考えられる。
疲れているのだ。
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