第38話
三人のように戦闘行為はしていないが、それでも疲れているのだ。
いきなりこんな世界に連れてこられて、見の縮むおもいの連続なのだ。
それで疲れないとしたら、そっちのほうがどうかしている。
「うーん」
声がした方を見ると、魁斗がゆっくりと起き上がろうとしているところだった。
続いて紫苑と飛燕が起き上がる。
申し合わせたように、三人が同時に目を覚ました。
それも清武が目を覚ました直後に。
「ふう。気は完全に戻ったようだぜ」
「そのようね」
「それじゃあいきますか」
三人は起きたばかりとは思えない速さで、すたすたと歩き出した。
清武は慌ててついて行った。
広場を抜けて森の中を歩いていると、魁斗が飛燕に言った。
「三面中ボスまでやっつけたぜ。あとはもうそれほど残っていないんだろう」
「ああ。“目”からの報告によると、あとはラスボス前の最後の敵が一つ、そしてラスボスの鬼哭(きこく)。それだけだ」
清武が口をはさんだ。
「その“目”って、なんですか?」
「“目”は俺たちの仲間で、いわゆる千里眼のような能力を持っている人ですよ。その人がここを見て、私に報告したのですよ」
「それで敵の数がわかるんですか」
「ええ。強い敵ほどよく見えるそうですから、敵はあと二つで間違いないでしょう。敵の能力まで見ることが出来ないのが残念ですが」
「それでさっき言っていた、鬼哭とは、なんですか?」
「ここのラスボスの名前ですよ。あいつだけは名前がわかっている。と言うよりも、あいつだけが名前をつけてもらっている、と言ったほうがいいでしょう。ここの住人によってね」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます