第16話
清武も上を見た。
そこにはそいつらがいた。
木にしがみついているなにかでかいもの。
清武がざっと数えただけでも、二十体はいる。
「さあて、第二ステージの始まりだぜ」
三人とも武器を構えた。飛燕が言った。
「敵は前方にしかいないようです。清武さん、下がっていてください」
「わかりました」
清武は化け物の方を見たまま、後ろ歩きで下がった。
飛燕はそれを見届けてから、前に視線を戻した。
木にしがみついていたものが次々に降りてきた。
全身真っ黒い毛が生で覆われた、類人猿みたいなもの。
しかしその顔はタツノオトシゴをぐにゃぐにゃにしたようなもので、頭に二本の角が生えている。
身長は二メートルを超えているだろうか。
そんなやつらがそろってこちらを見ているのだ。
「犬みたいなやつ、鳥みたいなやつに続いて、今度は猿か。もっと強そうなの、いねえのかよ。ったく、しょうがねえなあ。みんな、行くぜ」
魁斗がそう言うと、右へ走った。
紫苑と飛燕がそれに続く。
――速い。
足場が悪く、木があちこちに生えている中、三人とも考えられないスピードで走っている。
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