第42話

皮膚が実際よりも赤黒いことをのぞけば、着ているコスプレ衣装までそっくりである。


ご丁寧に武器まで同じものを持っていた。


「あいつの能力がわかったぜ」


「そうね、コピーだわ」


「つまり目の前にいるのは、自分自身というわけか」


「そのようだぜ」


「自分と戦うことになるなんてね。考えてもみなかったわ」


「そうだな。力は同じはずだから、やっかいだぞ」


「自分と殺し合いなんて、気が進まないわ」


「そうかあ。俺はすっごく気が進むぜ」


「やっぱり馬鹿ね」


「あ?」


「あん?」


「来るぞ」


飛燕の言うとおり、コピーの三人が三人に襲い掛かってきた。


魁斗もどきは魁斗に。


紫苑もどきは紫苑に。


飛燕もどきは飛燕にむかってきた。


三人の言うとおりなら、全く同じ戦闘力を持つもの同士の戦いとなったのだ。


そしてその対決は、その通りとなった。


三組の戦いはいずれも互角。


どちらかが優勢になるということがなく、完全に対等にやりあっていた。


――いったいどうなるんだ、これ。


清武は、ただ見守るしかなかった。

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