第40話
どう見ても半端でなく寂れてはいるが、それなりの規模を誇る神社だった。
「目によると、ここが村の入口だそうだ」
「はいはい、目は賢くて聡明でいらっしゃる飛燕様が、さぞかしお気に入りなんでしょうね。よかったですね。賢くて聡明な飛燕様」
「……で、この神社にラスボスの前の最後の敵がいるそうだ」
「そうよ。馬鹿みたいにすねている場合じゃないわよ。馬鹿みたいにじゃなくて、馬鹿そのものだけど」
「おう?」
「ああん?」
「二人ともやめろといっているだろ。ここには強敵がいるんだぞ」
「わかったるわよ」
「はいはい、わかってますよ。賢くて聡明な飛燕様」
「……それじゃ、入るぞ」
飛燕がぼろぼろの鳥居を通って神社に入り、魁斗、紫苑、清武がそれに続いた。
神社に入ると、魁斗も紫苑も先ほどとはうって変わって真顔になった。
魁斗が言った。
「それにしてもこの神社、見事なまでの廃墟になっているぜ」
「そりゃそうでしょうよ。鬼哭を崇め奉る村人にとって、神社なんて無用の長物なんだから。叩き壊されないだけでも、ましってものよ」
「叩き壊すのが面倒だから、ただ放置したんじゃねえのか」
「それも一理歩けど、今はそんなことで議論している暇はないわ」
「そう。もうすぐ二番目に強い敵が現れる。確実にね」
来た。目の前に立つのは少女。
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