第6話

が、二匹の攻撃が飛燕にとどく直前に、宙で動きを止めたかと思うと、そのまま地面にぶっ倒れた。


――えっ?


誰かいた。女だ。


その格好といえば、キャットスーツというのだろうか、皮製に見える全身タイツのようなものを着ていた。


上から下まで真っ赤で、まるでアメコミに出てくるような出で立ちだ。


ただ胸のところがこれみよがしに開いてあり、そこに深い谷間が見えた。


身体の曲線がまるわかりで、その体系は外国のプレイメイトそのものだった。


しかしその成熟しきった体の上に、中学生とも高校生とも判別のつかない幼い顔があった。


大きな目のかなりの美少女だ。


そして両手には、片刃のナイフを持っていた。


通常のナイフよりもかなり大きめで、それを右手は順手で左手は逆手で持っている。


「紫苑(しおん)助かった。かたじけない」


「苦労しているみたいだから、このあたいが直々に助けに入ってやったよ。ありがたく思いなさいよ」


「ああ、わかっているさ」


二人は素早く動くと、残りの化け物をあっと言う間に片付けた。


そして一息つくこともなく、清武のほうに来た。


紫苑と呼ばれた少女が言った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る