6月19日(月) 定食屋に付き合うことになった

 今朝出勤してすぐ、振転研の手代木さんが企画課に来て、菓子折りを差し出されて謝罪を受けた。

 夜道の一人自転車を心配して見守ろうとしてくれたのはわかるし、気にしないでくださいと言ったのだけれど、「声をかけなかった自分のせいでかえって怖い思いをさせてしまって申し訳ない」と、泣きそうな声で言われて、土下座せんばかりに頭を下げられて。

 このまま押し問答が続くと、なんだか私が虐めているように見えてくるんじゃないかと思い、仕方なく菓子折りを受け取ることにした。

 ミキちゃんは用もないのに私の席の近くに来たりして「手代木さんの声初めて聞いた!」ってはしゃいでた。


 それから、出勤してきた松代さんにもう一度頭を下げて、改めてお礼をしますので、と伝えた。

 タオルハンカチでも贈ろうかと思っていたのだけれど、それなら食堂run-runるんるんに付き合ってほしいと言われた。

 学生街の安い定食屋にいい歳をしたオッサンが一人で入るのは気が引けるけど、梅園さんならまだ学生にも見えるし、研究室の講師と学生というていで入れそうだから、と。

 ゴリエストと二人きりの食事ということで躊躇ったけれど、ゴリエスト(最上級)だしrun-runだし、どこからどう見てもデートってことにはならないだろう。

 学生時代にサークルの先輩によくrun-runに連れて行かれたことを懐かしく思い出し、久しぶりに行ってみたい気もしてきたので、今週の金曜日に行く約束をした。


 天久保さんには、ばったり会ったらいつもどおりの笑顔で挨拶しようと決めていたのに今日は会えず。

 一日会えないとやっぱり顔が見たくなる。

 明日は研究棟までお散歩してみようかな……。


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