6月8日(木) 雨の日の出勤
関東地方は今日梅雨入りしたらしい。
朝は確かに雨が降っていたので、通勤はバスになった。
バスの本数が少ないから、いつもより20分くらい早く異転研に着いたんだけど、門を入ったところの駐車場に小学生のような真っ黄色の傘が一つ見えた。
近づくとそれは案の定花畑さんで、毎朝欠かさない車チェックを傘を指したまま入念に行っている。
花畑さんの愛車は、年代物のやけにカクカクした形のセダンなんだけど、毎朝異転研に着くと車を降りた後に30分くらい時間をかけて入念に車回りをチェックしているらしい。
私はそんなにヒマ人じゃないからいつも素通りするけれど、暇で物好きな人(ミキちゃんだけど)が観察したところ、車の細かな傷を数えながらそれが増えてないかとか、何度もドアの取っ手をガチャガチャと動かして鍵がちゃんとかかっているかチェックしたりとか、とにかく異常なくらい車から離れないんだって(゚д゚lll)
自分の車の回りを時おりしゃがみ込んだりしながら黄色い傘でウロウロ歩き回っている花畑さんをできるだけ刺激しないよう、「おはようございま~す……」と小声で通り過ぎようとした。
そのとき。
「お、おはようございます」
いつもは挨拶を返さない花畑さんが珍しく私に向かって挨拶した!
通り過ぎようと思ったのに、真っ黄色の傘がふらふらとこちらへ寄ってくるので、思わず立ち止まってしまった。
因縁つけられる覚えはないんですけど!?
身構えていると、私から2メートルくらい離れたところで立ち止まった花畑さんが、私のおへそあたりに視線を彷徨わせながらおどおどと、けれども饒舌に話し出した!
「う、梅園さんのその傘の色は配色的にリルリルフェアリルのあこやちゃん専用アンブレラと
詰め寄りそうな勢いの花畑さんから距離を取ろうと後ずさり、まだ何か私に向かって話しているのか独り言なのかわからないけどブツブツ言ってる彼に「お先に行ってます!」と言い残してダッシュした!!
とりあえず帰りに早速クレヲで別の色の傘を買って帰った。
もうあの傘は二度と職場には差して行くまい(`‐ω‐´)
ちなみに、今日も花畑さんのズボンの裾は片方だけ靴下に挟まっていた(´・ω・`)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます