概要
女子高生の心臓が盗まれた。彼女が死に至るまで、残り七時間。
多分人生で一番濃密な七時間。
リアルな痛みの上をゆるっとふわっと駆け抜ける。
とかく生きづらい現代っ子なもんで、青春と呼べるほど優しくない。
こんな女子高生はお嫌いですか?
土木作業員の父とパート業の母を持つ女子高生楢原メイは、下校途中に怪しい小学生から声をかけられる。
「キミの心臓はボクがもらったよ」
唐突に始まる生死を賭けた鬼ごっこ。
メイは心臓を求める過程で、自分の心に閉じ込めてしまったかつての悲鳴を聞く。
「あなたは、痛いと言えますか?」
一人の少女のかつてとこれから。
そして、前を向いて生きる術を問いかける物語。
――タイムリミットまで、あと七時間――