題名を見て、医療的に心臓が盗まれるのかと思って読み始め、途中で概念的に心臓が盗まれたのかと思ったら、物質的にも概念的にも、その両方の意味で心臓が盗まれました。 こんな豊かな発想がどこから来るのかと、舌を巻いた次第です。 しかもタイムリミットが設定されることによって、物語が加速していき、そこに恋愛や家族の問題が絡み合っていて、楽しく読ませていただきました。
5話まで読んだところでのレビューです。心臓を盗まれ、死までのタイムリミットが7時間という、ぶっ飛んだ書き出しです。主人公の女子高生(一人称がぼく)は今のところ、のんきに元彼からの復縁を断ったりしていますが。現実世界にファンタジーが迷い込んだような、不思議な世界観。それが、この小説の最も魅力的なところです。新興住宅地から眺める大きな夕日に鼓動が速くなるような、奇妙な感覚を味わえる小説。続きが楽しみです。