第五章 伝説の厄災再び

第24話 決闘!!


 「ツバサさん…今日はファンタージョンで決闘デュエルがある日ですわよ…」


「…行かない…」


 こちらに背を向け布団に包まったままのツバサ。


 カオル子は今、ゲートを使ってツバサの部屋に来ていた。

 現地集合にするとほぼ確実にツバサが来ないであろう事を彼女は予想していた。

 何故ならカイコ虫退治の時、『大地の戦乙女グラン・バルキリー』と一悶着あってからツバサの様子がおかしかったからだ。


「ミドリさんはあなたとチヒロの名誉の為に戦ってくれるのですよ…?

 あなたが見届けてあげなくてどうしますか?」


「怖いの…私…『大地の戦乙女グラン・バルキリー』を見るだけで身体が震えだして涙が出て来るの…だから…」


 震える声で何とか言葉を紡ぎ出しているツバサを見てカオル子は胸を痛めた。

 自分がもっとしっかりしていたらツバサをこんな目に会わせないで済んだかもしれなかったのに…と。


「…分かりました…仕方ありませんわね…ではミドリさんからの伝言だけ伝えてから帰ります…」


「…伝言…?」


「『アタイを見ていろ!!』だそうよ…では御機嫌ようツバサさん…」


 そう言うとカオル子はゲートの中に去って行った。


「…アタイを見ていろ…」


 その言葉をツバサはつぶやく様に繰り返した。


「旦那…ちょっと…」


「どうしたダニエル?」


 ツバサに気付かれない様にダニエルが小声でユッキーに呼び掛けそのまま部屋の外の廊下へ連れ出した。

 するとそこには何とカオル子がいたのだ。


「あれ!? お嬢さん!! 帰ったんじゃなかったのかい?」


「シーッ…声が大きいですわよ…」


 彼女は確かにゲートに入ったはず…あれは廊下に移動しただけだったのか?


「わざわざこんな事をして…一体どうしたんです?」


「ツバサさんの前では話せない事ですわ…」


 カオル子が綺麗にラッピングされた袋をユッキーに渡す。


「これは?」


「ユッキーさんにはギリギリまでツバサさんの説得を続けて欲しいのです…でもどうしても上手くいかない場合はこの袋をツバサさんに渡してくださいな」


「…分かった…けどこれ、中身は何だい?」


「ツバサさんにとってとても大切な物ですわ…頼みましたわよ…」


 そして今度こそ本当にカオル子は帰って行った。




 パン!! パン!!


 空高く開催を知らせる合図の花火が鳴る。


 こちらの世界のローマのコロッセオにも似た円形の闘技場。

 その周りを取り巻く様に沢山の出店が所狭しと並び、大勢の人々が押しかけていた。

 まるでお祭りである。


「ったく…何でこんな見せ物みたいになってるんだよ…!!」


 闘技場内の控室の椅子に座り憤懣やるかたない『森の守護者フォレスト・ガーディアン』。


「さあ~私は『魔法少女協会マギカソサエティ』に闘技場の使用許可を取っただけですからね~」


 首をすくめるネギマル、玉ねぎ然とした身体に首があるかどうかはさておき…。


「チッ…協会の連中か!! こんなお祭り騒ぎにしやがったのは…!!」


 苛立つ『森の守護者フォレスト・ガーディアン』。

 そもそも彼女は人前に出て目立つのが苦手なのだ。

 その姉御肌的性格からはちょっと想像できない…いやかなり意外ではあるが。


「よう!! 昨日の返事を聞きに来たぜ?」


 控室の入り口の縁に寄りかかってタカハシが昨日の酒場での問いの答えを聞きに来た。


「受けて立つぜ!! アタイが勝ったらツバサに土下座して謝ってもらうからな!!」


「ほう…じゃあこちらのマスターの条件を伝えるぜ…こちらが勝ったら『森の守護者フォレスト・ガーディアン』…アンタには我がマスター『大地の戦乙女グラン・バルキリー』の部下になってもらう」


「!! …おっ、おう!! 女に二言はねえ!!」


「グッド!! いい返事だ…それじゃあまた後でな、健闘を祈ってるよ」


 そう言い残してタカハシは去って行った。


「…良いんですか? あんな条件を飲んじゃって…」


「仕方ねえだろう…ここまで来て後に引けるかっての!!」


 これは是が非でも勝たなければならなくなった。


「御機嫌よう、調子はどうですか?ミドリさん」


 カオル子とダニエルが陣中見舞いに来た。


「よう!! あれ…ツバサは?」


「ごめんなさい…誘ったんですけれど断られてしまいましたわ…」


「…そうか…無理も無い…ツバサにいい報告が出来る様に頑張るよ!!」


「ええ…頑張ってくださいな」


「『森の守護者フォレスト・ガーディアン』さんそろそろ会場に入ってください!!」


 呼び出し係の犬のマスコットが呼びに来た、そろそろ時間の様だ。


「よ~し!!いっちょ暴れて来るか!!」


森の守護者フォレスト・ガーディアン』が控室を出て闘技場に続く階段を昇ると…


 ワアアアアアアアアアアア!!!!!!!!


 割れんばかりの歓声…。


 あまりの観客の多さに圧倒されてしまった。

 闘技場の観客席がほぼ全て埋まっているのだ。


「…マジか~」


 軽く目まいがした。

 フィールドに目を向けるとその中心に人影が見える、『大地の戦乙女グラン・バルキリー』だ。


「何故吾輩がこんな衆人環視のもと戦わなければならんのだ…」


 あくまでもクールに愚痴る『大地の戦乙女グラン・バルキリー』。

 言ってる事は先程の『森の守護者フォレスト・ガーディアン』とさほど変わっていない。


「アタイもそう思うぜ…珍しく意見があったな!」


「…チッ…」


 あからさまに嫌な顔をする『大地の戦乙女グラン・バルキリー』。


「よくぞ逃げ出さずに来たものだ…褒めてやろう」


「へっ…余裕ブッこいてると足元をすくわれるぜ!?」


 開始の合図前から舌戦が始まっていた。


「静かに…!!これよりルール説明を致します!!」


 空からセキセイインコ…にしては人ほどのサイズがあるマスコットが二人の側に降り立つ。

 どうやらこのインコが審判を務めるらしい。


「まず…決闘デュエルは魔法修練の一環であり、相手を傷つけたり痛めつけたりする事を目的としていません、ですからこのフィールドには特殊な魔法をかけてあり攻撃が致命傷にならない様になっています、

 そこであなた方には生命力を示す『ライフゲージ』が与えられます、

 これを戦闘行為によって減らしていき、相手の『ライフゲージ』を先にゼロしたほうが勝ちとなります

 勿論相手が降参しても同様です

 …そして最後にもう一つ、攻撃が当たった時はそれなりの痛みと衝撃があるので覚悟はしておくように」


「分かった…」


「OK!」


「ではこれより『大地の戦乙女グラン・バルキリー』VS『森の守護者フォレスト・ガーディアン』の決闘デュエルを執り行います!!」


 ワアアアアア!!!!!


 再び大歓声が鳴り響く。


「始めっ!!」


 カーン!!


 インコ審判長が高らかに叫び開始のゴングが鳴った!!




「ツバサ…本当にミドリの姉御の決闘デュエルを見に行かなくていいんでありんすか?」


「………」


 ユッキーの問いに対してだんまりを決め込むツバサ。

 相変わらず布団に包まったままだ。


「姉御の伝言「アタイを見ていろ」って言うのは自分の戦いを通して何かを見つけてくれと言うメッセージじゃないのかえ?」


「…!!」


 ぴくっと布団が動く、それをユッキーは見逃さなかった。

 もうひと押し…。


「いいのかな~行かなかったらきっと後悔すると思うな~」


「…ううっ…」


「それにミドリの姉御にも嫌われちゃうかも…」


「…それは嫌っ!! …でも…」


 ガバッと布団を剥ぐって飛び起きた所までは良かったが、またいじけはじめる。

 ここぞとばかりにユッキーは先程カオル子から手渡された袋をツバサに渡した。


「これは?…ああっ!!」


 その袋に入っていた物は猫のぬいぐるみだった。


「ベル…」


 これは守銭奴ラゴン戦のおり、プレミアムガチャを引く時の代償に差し出した物だ。

 ほつれ具合や汚れ具合が一致しているのでツバサが持っていた物に間違いない。

 しかし消え去ったはずの物が何故ここに…


「恐らくお嬢さんが取っておいてくれたんでありんすな…」


「えっ…?でもこの子と500万イェンを交換したんだよね?実際私のカードには入金されていたし…」


 そうなのだ…『億万女帝ビリオネア・エンプレス』の魔法『メモリーエクスチェンジ』は思い出の籠った品を鑑定しそれに見合ったイェンを獲得するという物だったはず…。


「…きっとあの500万イェンはお嬢様が出した物だろうね…イェン不足のツバサに援助を受け入れてもらえなかったお嬢様の粋な計らいでありんすな」


「…そんな…私は…」


 魔法少女の活動に関しては何でも自分でやって来たつもりだったので軽くショックを受ける。


「よく聞くでありんすツバサ…人間、一人では生きて行けないでありんす…それは魔法少女も同じ…

 だから困った事があったら遠慮せずアチキやみんなに話せばいいのでありんす…ツバサは中でも年下なんだからもっと甘えればいいんでありんすよ?」


「そうか…そうだよね…」


 何でも自分一人で出来る訳が無い。

 ツバサは知らず知らずの内に自分から壁を作っていたのだ。


「分かった…私、闘技場に行ってミドリさんの試合を見るよ!」


「そうこなくちゃ!」




「…ああっ…!!もう始まっちゃってる…」


 ゲートを直接繋いで闘技場に着いたツバサは急いで観客席に走った。


「ツバサさんこっちよ!!」


 観客席にはカオル子とダニエルがいた。


「やっぱり来てくれましたわねツバサさん」


「さっきはごめんね金ちゃん…」


「いいんですのよ…もう忘れましたから」


 優しく微笑むカオル子。




「撃て~!!」


大地の戦乙女グラン・バルキリー』自慢の土の戦車隊タンクフォースが一斉射撃で『森の守護者フォレスト・ガーディアン』を容赦なく追い詰める。


「ちくしょう!!石を投げるのは汚いぞ!!」


 走り回り辛うじて岩石の砲弾を交わす『森の守護者フォレスト・ガーディアン』。


「フン…逃げ回ってばかりいないで反撃してきたらどうだ?」


 余裕の表情の『大地の戦乙女グラン・バルキリー』。


「言われなくても…!!『アイビーウィップ』!!」


 右手の平から鋳薔薇の蔦を出し手近な戦車を薙ぎ払う。

 数輌の戦車が粉々になり土塊に帰るが全体の数から見たら減った内に入らない。


「アンタ玩具おもちゃに金掛け過ぎだよ!!幾つ持ってんだい戦車の玩具!!」


「戯言を…!!『エンジニアリングブリゲイド』!!」


 『大地の戦乙女グラン・バルキリー』がマジカルフラッグを掲げる。

 しかし特には何も起こらない…。


「どうしたんだい? 魔法の不発かい? …ぬあ?!」


 嘲笑を浮かべながら走っていた『森の守護者フォレスト・ガーディアン』がバランスを崩す、足首に何かが引っかかったのだ。

 そのせいで思い切り顔面から地面にダイブしてしまった。


「…いてて…一体何だ…?」


うつ伏せの状態で脚の方に目をやると何と身長15cm位の土色の小人の兵隊が数人ロープを張っていたのだ。


「足をすくわれたのはお前の方だったな!!」


「おいおい!! 今度はおもちゃの兵隊かよ!!」


 カチッ!


「えっ…!?」


 右手の平に硬い物が当たる…それもまるで何かのスイッチを押したような感触…


「…まさかこれはっ…!!」


 咄嗟に手を放してしまう『森の守護者フォレスト・ガーディアン』。


 直後大爆発が起こり彼女は吹き飛ばされてしまった。


「ああああああっ!!!!」


 そのまま地面に叩き付けられる『森の守護者フォレスト・ガーディアン』。

 彼女のライフゲージがグーンと一気に減ってしまう。

 残りは約50%と言った所か。


 ワアアアアアアアアアアア!!!!


 盛り上がる群衆たち。

 普段見られない魔法少女達の戦いに大興奮だ。


「『ランドマイン』…押してから離すと爆発する…そのまま押していればすぐには爆発しなかったんだがな…フッ」


 僅かに口角を上げる『大地の戦乙女グラン・バルキリー


「…知るかよそんな事…」


森の守護者フォレスト・ガーディアン』はよろけながら何とか立ち上がるが膝がガクガクと笑っていてまともに歩ける状態では無い。


(あ~まずったな…アタイの魔法は発動に時間が掛かる物が多いから、こう引っ切り無しに攻撃されると使う暇がないぜ…

 一応布石は敷いてあるけどそれまでもつかどうか…)


 ガラにも無くつい弱気になってしまう。

 肩で息をし、時折膝から崩れそうになるのを堪える。


「さあ…そろそろとどめとといこう…『アーティリティキャノン』!!」


大地の戦乙女グラン・バルキリー』の後方の地面が隆起を始めた。彼女の身の丈の3~4倍は盛り上がった所でモコモコと土がまるで生きているかの様に形を変えていく…出来上がったものは巨大な大砲だ。


「さっきまでの戦車の攻撃とは比べ物にならぬぞ? 発動に時間が掛かる魔法はこう使うのだよ!!」


「…マジかよ…」


 『森の守護者フォレスト・ガーディアン』は目を丸くした。

 今の自分の状態ではきっと避けるのは不可能だと悟るが、そこへ…


「ミドリさん!!頑張って!!」


 群衆の大声援を裂いてツバサの応援の声が響く!!


「ツバサ…!! やっと来たか!! 待ちくたびれたぜ…!!」


 先程の諦めムードもどこ吹く風…『森の守護者フォレスト・ガーディアン』の目に輝きが戻る。


「フン…あいつが来たからと言ってだからどうだというのだ?」


 無表情の中に呆れが混ざった物言いの『大地の戦乙女グラン・バルキリー』。


「仲間の声援で戦う力が湧く事だってある!! 一人ぼっちのアンタには分からないだろうけどな!!」


「ぬかせ!! この一撃で消し飛んでしまえ!! ファイア!!」


 大口径の大砲からライフリングを切りながら巨大な岩石の砲弾が発射される。

 狙いは勿論『森の守護者フォレスト・ガーディアン』だ。


「ミドリさん避けて~!!」


 ツバサの悲痛な声が聞こえる。


「『レストリクション』!!」


森の守護者フォレスト・ガーディアン』の前に蔦で編まれた柵が現れ彼女を囲う。


「馬鹿め!!そんな柵でこの岩石弾が防げるものか!!」


 岩石弾と蔦の柵が激突する。

 『大地の戦乙女グラン・バルキリー』が言う通り岩石弾が柵を一方的に蹂躙する…筈であったがそのままドスンと真下に落下してしまったのだ。


「何だと…!!」


 信じられないと言った表情の『大地の戦乙女グラン・バルキリー』。


「何故だ!!そんな安っぽい柵で留められるはずが…」


「植物をなめんな!!『ルートドリル』!!」


 バゴォォン!!!


 何と地面に落ちた岩石を正拳突きで砕いて『森の守護者フォレスト・ガーディアン』が現れた。

 拳には植物の根が螺旋状に絡まっている…まるでドリルだ。


「草花は時に硬い地盤に根を生やし、アスファルトを突き破って芽を出すんだ!!思い知ったか!!」


「なるほど!! ミドリさんは『レストリクション』で作った柵で僅かでも岩石弾の威力を殺して『ルートドリル』で岩を砕いたのですね!!

 植物の根は土を溶かす分泌液を出すそうですから!!」


 観客席のカオル子が突然解説を始めた。


「へぇ~!! 金ちゃん物知りだね~!!」


「そっ…そんな事は…ありませんわ…」


 ツバサに褒められ口ごもるカオル子、顔は真っ赤だ。


「…ならもう一発だ!! 第2射用意!!」


「遅い!! 『ルートアブソーブ』!!」


 『森の守護者フォレスト・ガーディアン』が地面に手を着くとそこから地面にまるでひびが入って行くように網の目の様な光が広がっていくのが見える。

 やがてそれは『アーティリティキャノン』の大砲は元より闘技場のフィールド全体に拡がっていった。

 するとどうだろう…『大地の戦乙女グラン・バルキリー』の戦車隊、歩兵、大砲の全てに一斉に亀裂が入りガラガラと崩れて去っていくではないか!!


「なっ…貴様…何をした?!」


 珍しく感情を露わにする『大地の戦乙女グラン・バルキリー』。

 明らかに動揺している。


「序盤にアタイがただ逃げ回っていただけだと思った? 撒いた魔法種子マジックシードを発芽させて根を伸ばし、この闘技場の土から魔法力と水分を吸収しているのさ」


「そんな…地面に手を着いている様には見えなかったぞ…!!」


「やっぱりアタイの戦闘スタイルを調べてやがったのか…

 種は何も手でないと撒けない訳じゃないぜ?」


 『森の守護者フォレスト・ガーディアン』が自分のスカートの裾を掴んで揺するとパラパラと無数に種がばら撒かれる。

 走っただけである程度自然にばら撒けるように細工がしてあったのだ。


「………!!」


 文字通り開いた口が塞がらない『大地の戦乙女グラン・バルキリー』。


「アンタはもうここでは得意の土系魔法は使えないぜ…どうする? このまま降参するなら痛い思いをしないで済むけど?」


「…くっ…」


 下唇を噛んで心底悔しそうな顔の『大地の戦乙女グラン・バルキリー』。


「ミドリさん…」


 ツバサは『森の守護者フォレスト・ガーディアン』に羨望の眼差しを向ける。

 彼女もツバサに向けてピースサインをして見せた。




 キュオオオオオンンンーーーーーー!!!!!!


 突然空を切り裂くほどの甲高い爆音が轟く…空気が振動している。


「この音は一体!?」


 ツバサたちは周りを見回す。


「あっ!!あれをご覧になって!!」


 カオル子が指差す上空に真っ赤に燃え盛る隕石が見える。

 どう見てもこの闘技場目がけて落下している!!


「みんな!!みんな逃げて~!!」


 ワアアアアアアアアアアア!!!


 キャアアアアア!!!


 観客たちは口々に悲鳴を上げて逃げ惑う…もう決闘デュエルどころでは無い。

 闘技場内は大パニックに陥ってしまった!!


「ツバサさん…!! 今の内に変身を…!!」


「うん!! 分かったよ!!」


 二人は魔法少女姿に変身…したまではいいがこの状況で一体何が出来よう…

 自分たちだけなら逃げられるが、魔法少女としてそれはもっともやってはいけない行動だ。


「この会場に魔法少女はいませんか…!!いたらこちらに来て手を貸してください!!」


 セキセイインコのマスコットが大声を上げている。


「何でしょう…行ってみましょうか…!!」


「うん!!」


 このまま何もしないよりは…と『果て無き銀翼ウイング・オブ・エターナル』と『億万女帝ビリオネア・エンプレス』はその呼びかけに応じる事にした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る