市野花音

一九二九年、米国、シカゴ。 崩壊寸前の禁酒法と、莫大な財を築いたマフィア。 その狭間に、咲いた薔薇。

妻の死を受け入れられない男の手許に残ったのは、妻の残した日記帳だった。 1200文字の夫婦の物語 ※この作品は日本SF作家クラブの小さな小説コンテスト2024の共通文章から創作…

《月葬》それはなにも遺さない葬式だ。だから廃れた。 けれどもわたしは今宵、双子の姉を月に葬る。姉を愛するがゆえに。 「ね、ふたりだけのお葬式をはじめようか、姉さん」 わたしに…

ここに集められているのは《小説未満》の物語ばかりです。 その頁に綴られた関係や風景に到るまでの物語は喪われ、これから完結することもなく。 恋ならば実らず、戦いならば勝敗は決さず、…

～カクヨムコンテスト10【短編】参加予定作品～ 戀歌楼。 主に異形を商品として扱う見世である。 もちろん、気に入ったものがいれば身請けすることもできるが、その際は案内人が…

第2回カクヨム短歌・俳句コンテスト短歌の部　応募作になります。

あなたにわらっていてほしいから。 あなたに、わかってほしいから。 あなたが、どれだけ、だいじなのか。 わたしは、あなたがだいすきです。

少女は、復讐のためにいきている。 鬼王、武の頂点をきわめた、怨敵。 いま、そのときがきた。

ひとの世をおびやかす、妖。 太平を謳歌するこのみやこにもその影が跋扈する。 陰陽師。異能の術師が、たちむかう。

天に愛され、民にしたわれる、豊穣の女神の契約者。 花とひかりの聖女カトリナは、絶対無窮の愛の体現者である。 だが……彼女には、明かせぬ秘密があった。

辺境の地、切り拓くは無敵の先遣隊。 その隊長、伝説ともうたわれた最強の女剣士、鉄血の鬼女、ギレア。 僕たちは畏怖と崇敬をこめて、彼女をあおぎみていたのだ。 あのひ、までは。

ふわふわくんは、髪の毛がふわふわしているから、ふわふわくん。 きょうはおじいちゃんがお留守なので、おみせばんなのです。 さて、はじめてのおきゃくさんは……。

自主企画『激重彼氏・彼女選手権』参加作品です。

かれの瞳はどこまでも澄み切っていた。 わたしが、受け入れられないほどに。 時空を超えた恋。 そのことばのほんとうの、意味。 きっとあなたは今日、それを知ることになる。

だいじなひとと別れたことはありますか？ そのときにあなたは、あなたの世界に立っていられましたか？ そのときが、どこにあるのか、あなたは知っていますか？

今日は私の結婚式だ。

　十代最後の歳という割に、僕は色々と不足がちな自分を自覚していた。例えば誠実さの意味さえも、靴下の表裏がわからない子供みたいに履き違えてばかりだった。

　これは遺書であり、告白文であります――。 　ある従者が綴った、主と従者の狂気の記憶。 　主と従者の性別は決めておりませんので、ご自由に想像していただければと思います。 　舞台…

　姉を探して船に乗った青年、スヴェン。けれども船が難破したことで海へと投げ出され意識を失う。目覚めた彼は黒ずくめの怪しい男に拾われていた。葬儀屋を自称した彼は、無一文となったスヴ…

カプセルトイが大好きなのでよく回しに行くが。不思議と当たりしか引かない。強運だ！

　スーリヤ国では、貴人が死ぬとその妻も埋葬されるという風習がある。 　王妃アイシャも、若くして病死した夫の亡骸と共に墓室に入る。愛する夫にお供できるのは妻として名誉であり幸せのは…

未来診断士なんてやっているけれど、僕には特別な力は何もない。悩み多き年頃のごく普通の男子高校生だ。強いて言うなら、些細な言葉選びや仕草から、人の本質を推理するのが少し得意なだけさ。

一角獣と少女。 童話のように書きました。 ５分で読めるショートショートです。 隙間時間にどうぞ。 クロノヒョウさんのお題企画参加作品です。 https://kakuyomu.j…

140字の、とても短いお話。 だけどそこには、笑いがあったり、涙があったり、驚きが沢山。 一話完結。全てが別々の世界。それがいくつもいくつも、溢れています。 この中に、あなたの心…

1960年代アメリカ。 片田舎に住むとある夫婦の元に配達人と名乗る男がやってくる。彼は夫婦に箱を渡すと「この中には百万ドルが入っている可能性があります」と告げた。「可能性？」と妻…

名跡の当主、ロデリンダが死んだ。 齢十八歳の、うら若き姫君だった。 『私に集約された我ら一族の財産権利に土地館、そのすべての動産不動産は、私の形代である姫君人形を導としてのみ、…

二人の人間を紐で縫い合わせ、一人の化物を生む、非人道的な魔法がある。理性も言葉も忘れて人間を襲う化物は『魔女』と呼ばれていた。研究者が切望し続けているのは、自我を失くした失敗作で…

KAC20243。 引っ越しシーズンですね。うちにも開かずのダンボール箱がありますよ。何が入ってたかな……

ファミコン版ドラクエ３の思い出です。

◆◆KAC20215参加作品◆◆ 　タイトルの通りです。

ウイルスパンデミックで不要不急の外出が制限された街。元大学生の俺は、フードデリバリーのバイトをしていた。 運ぶのは注文のあった弁当類。そして秘密の『ドリンク』だ。 非日常だった…

車と人生のことを考えました。連作短歌２０首。

KAC20245。『はなさないで』。 漫才です。

KAC20247の２本目。『色』。 『ゴーストハウス・スイーパーズ』の番外編です。これだけでもノリで読めます。 お題要素は薄め。

KAC20242の２本目。 心霊現象の起きる事故物件を紹介する不動産スタッフの男の日常業務です。 長編『ゴーストハウス・スイーパーズ』の前日譚。

夜を戦う全ての人へ。あなたはひとりだけどひとりじゃない。何より尊い仕事をしている。 ※百百百百さま主催のアンソロ『星座短歌と星エッセイ』へ寄稿した１１首に、９首の新作を追加した…

KAC20236『アンラッキー７』参加作。 思い付く限りの『７』を入れました。

KAC20235『筋肉』参加作。 以前、近況ノートに書いた内容と重なります。

KAC20234『深夜の散歩で起きた出来事』参加作。 満月の夜にはいろんなことが起こるかもね。

KAC20233『ぐちゃぐちゃ』参加作。 もう元には戻らない。

KAC20232『ぬいぐるみ』参加作。 なお当方ロイヤルティプログラム未参加です。

KAC20231『本屋』参加作。 なお当方ロイヤルティプログラムは未参加です。

あたしは夜中にこっそり家を抜け出して、SNSで知り合った男の人に会いに行った。

僕と、学校貸与のタブレットのお話。ジャンルは『現代ドラマ』です。ＳＦではなく。

小さな頃から幽霊が視えるボクは、ある日、不思議なお兄さんに出会った。

次元転移装置の実験が失敗し、博士と助手は爆死エンドのループに入り込んでしまう。

日本人の平均寿命が八十八歳となった社会。俺はじいちゃんの米寿祝いで、登山に付き合うことになった。

推しのライブへ向かう途中で大型トラックに轢かれて命を落とした私は、推しの部屋の壁に転生させてもらうことになった。

定時で仕事を上がって、その足で保育園へ。家に着いたらすぐに夕飯の支度。毎日バタバタ大変ですよね。私がとっておきの時短テクをお教えしちゃいます！

ステイホームが続いた昨年のある日、夫が突然言い出した。 「熱帯魚を飼いたいんだけど」 かくして、我が家にアクアリウムが設置された。 私は横から見てるだけですが。