マイナス方面で見れば悲しいとか、寂しいと感じる出来事のように思うのですが、明るくハイテンポ+ハイテンションで語られる事により、とんでもないエンターテインメント作品に仕上がってるノンフィクションエッセイです。
作者様の過去の実体験で、結婚が決まる前、決まってから、届を出すその当日という形で進行していきます。
1話ごとにとんでもなく笑ってしまうシーンがぶち込まれているので、外で読む時は注意が必要かと。イマジナリーマツコ、イマジナリー上様の存在感も秀逸です。
タイトルの鍋敷きですが、最後まで読むとわかるので、ぜひそのオチを目指して読んで欲しいです。
結婚に憧れる年になり、秒読みの恋人(現旦那)もいて、そろそろ我らもゼクシィなのではないか。Time to buy ゼクシィなのではないか。そう思って、果敢に乗り込んだ書店にて「あれ?なんか違うな」と思った記憶があります。
私の知ってる(聞き知っている)ゼクシィというのは、そのおめでたい内容とは裏腹に、人を撲殺出来るほどの厚さがあるというのです。当時まだタウンページも現役でしたから、よく電話帳なんて揶揄されていたりもして。なお、それを凌駕するのが我らが京極夏彦御大の文庫。あれは辞書です。
脱線しました。
ですが、秋田県で見つけたそれは違いました。
札幌に住んでた頃、居酒屋のクーポンが詰まったフリーペーパーが当時これくらいだったな、と思い出すような厚さでした。要は、金を出して買う厚さではないな、と。しかもこれ、秋田単独ではなく、青森秋田岩手です。3県が束になってかかってもこれ。じゃあ秋田単独ならどうなるってんだ。
私の知ってるゼクシィと違う。
いま気になって調べてみたんですけど、首都圏版の厚さは約6cm、青秋岩は約2.4cmだそうです。こんなことを調べる酔狂な人もいたものだなと思いましたが、助かりました。
いずれにしても3.6cmもの差があるのです。そりゃあ別人だわな。
私のゼクシィメモリーはこの辺にしておきましょう。何せ短編ですから、下手なことを書くとネタバレになってしまうのです。そんな配慮した結果、こんなことになってしまいましたけれど、安心してください、こちらの短編、めちゃくちゃ面白いです。
ノンフィクションとのことなので、笑って良いのかなとちょっとハラハラしたのですが、その程度のハラハラで耐えられるほど甘くありませんでした。普通にめっちゃ笑ってしまいました。