概要
終わった世界に響く、最高に陽気な嘘ラジオ
世界はとうの昔に終わっていた。
灰色の風が吹き抜ける廃墟の街で、男はひとり、カセットテープに刻まれた過去のラジオを聴き続ける。
快晴を告げるDJの陽気な声、今日が素敵な日になるようにという祈り……
それが全て「終わる前日」の録音だと知りながら、男は嘘を飲み込み、毎朝同じラジオを聴き続けていた。
しかし、磁気テープはいずれ摩耗による「終わり」が待っている。
音が消えることに恐怖する男がした決意とは――
柴田恭太朗様の自主企画
≪【三題噺 #134】「波」「嘘」「朝食」≫参加作品
近況ノート https://kakuyomu.jp/users/90505/news/822139846101226975
灰色の風が吹き抜ける廃墟の街で、男はひとり、カセットテープに刻まれた過去のラジオを聴き続ける。
快晴を告げるDJの陽気な声、今日が素敵な日になるようにという祈り……
それが全て「終わる前日」の録音だと知りながら、男は嘘を飲み込み、毎朝同じラジオを聴き続けていた。
しかし、磁気テープはいずれ摩耗による「終わり」が待っている。
音が消えることに恐怖する男がした決意とは――
柴田恭太朗様の自主企画
≪【三題噺 #134】「波」「嘘」「朝食」≫参加作品
近況ノート https://kakuyomu.jp/users/90505/news/822139846101226975
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!最後の日には何を聴こうか
「おっはよーございまーす!」で始まるいつもどおりのラジオ放送。
それは終末の日の前日に録られたテープ。
それが最後の放送になることは、DJもリスナーもみんなわかっていた。
わかっていて、最後の優しい茶番をみんなで作り上げたんだ。
◇
最後の日の放送に流れるのはどんな曲がいいかなと考えました。
きっと特別な曲じゃないほうがいい。普段通り過ごして、夜眠りに就くころにはすっかり忘れてしまっているような、そんな曲がいい。
オープニングはルベッツの『Sugar Baby Love』なんてどうだろう。
エンディングは清志郎さんの『JUMP』なんてどうだろう。
頼むから『アヴェ・マリア』なん…続きを読む - ★★★ Excellent!!!毎日繰り返される「おっはよーございまーす」
午前5時。
「おっはよーございまーす」という、陽気なDJの声が響き渡る。
しかし、その声はどこからも繋がっていない。ただこの部屋で発せられるだけだ。
それは昨日も一昨日も同じ内容のラジオ。そして、明日も明後日ももし聞けたとしても内容が変わることはない。なぜなら……。
世界が終わりを迎えた時、自分の心が縋るのは、こうした日常の片鱗のようなものなのかもしれないと感じた。それによって自分は辛うじて毎日を過ごせる。
この毎日は、いつまで繰り返せるだろうか。食料も、DJの明るい声も、いつかは終るときがくるのはわかっているのにーー。
ひとりの男の居住空間で描かれる、世界の終焉のあとの物語…続きを読む