ささはらゆき

ハルトスカ公爵パヴェル。全てに恵まれた彼は、病弱な主君ルカーシュのために身を粉にして働いてきたつもりであった。 だが、ある晩、ルカーシュからとんでもない言葉を投げつけられてしまう。

僕はアップライトピアノを買った。あのひとに——兄の妻の真知子に届けるために。 ※以前別名義で公開していたものの改稿版です。

小説を書こうとした私が、上司のＭさんの話に影響を受けながら、小説を書くにはどうすればいいかを、まったく見当違いな方向に突っ走った先にあったものは…

修道女であるアストリットは、国王の側近であるジルヴェスターに見初められ、還俗してその妻になった。 ところが夫になったジルヴェスターは、初夜を終えると、見初めたとは思えない行動を繰…

閉鎖的な田舎で鬱鬱と暮らす少女、麻友子の家にはある秘密がある。モルフォ蝶に焦がれる少女の、ある夏の日。 この話はsasamomoさん主催の運命アンソロ「運命よ、そこのけそこのけ作…

第二次魔王大戦終結後の魔法紀元界。 復興を成し遂げた諸国は旧魔王領利権を巡り対立するも、先の戦争の戦火から、人類国家同士で干戈を交える事は躊躇われる状態にあった。 そんな中、大発…

何となく作った古文調の短歌を載せていきます。テーマ？　知らない子ですね。

夜の街には、恐ろしい怪異がいる。 その怪異に食われると、食われた者は世の中のほとんどから忘れ去られ、いなかったことになるという。 人食いの怪異。 次は誰を喰うのか、誰が忘れ去ら…

【異世界】転移・転生×ダークファンタジー！ これは、終焉（おわり）から始まる物語。 誰も知らない、終焉（おわり）の先へと続く物語。 決闘に敗れ、死に瀕していた【名無し】の剣…

【第9回カクヨムコンテスト　ライト文芸部門特別賞受賞作】 【第二部完結しました。第三部は2024年秋予定】 　国一番の役者の娘である燦珠《さんじゅ》は、父に倣って国一番の華劇《フ…

２０２０年代のとある年。民俗学者の准教授橘川は、教え子で助教の樋口と共に南洋の小島、ベルナパタ島へと赴く。樋口の専門分野であるオセアニア文化史のフィールドワークのはずだったが、そ…

タイトル通りのお話です。何となく明治時代くらい。 草森ゆきさん宛の黒髪長髪男性のプレゼントです。

長い夜に閉ざされた惑星で、太陽に憧れる人間の少女は夜明けを待つ吸血鬼の少年と出会う。 成長する彼女と、変わらない彼。ふたりが家族のように過ごせる時間は短くて── カクヨムWeb…

※本作品はこの世界の歴史とは別の世界の歴史を描いたこの世界においてはフィクションとされる作品であり、また歴史上の人物を扱う時現実と氏名を改変しているように、特定の国家・思想・人物…

　遥か未来。銀河系のとある居住可能惑星で繁栄を続ける人類だったが、そこはかつての母星ほどに、分厚い資源と生命圏を有していたわけではなかった。 　欠乏する希少元素、減少していく生物…

ジャンク拾いの少年が、戦場で拾った謎の美少女アバターＡＩに導かれてカスタマイズするタイプの人型搭乗式機動兵器を駆る傭兵として進む話。 ハイスピードなロボットを組み替えたりしなが…

ひよこ鑑定士、黒田康作は過労で倒れそのまま命を落としてしまった。性別不明な神にオファーされてお定まりの異世界へ転生するが、ついてきた特典は前世の技能そのまま「雌雄鑑定」。生まれ落…

下級貴族の庶子・スケイルは、父の死を境に生活の支えを失ってしまった。これといった才覚もない彼が飛びついたのは、「ダンジョン管理」という濡れ手に粟の生計手段――だが、その「ダンジョ…

遠い西の地から氷雪と鬱蒼と茂れる森林の地へと入植し、権力を握った部族の娘シグディースは幸福だった。だが同盟を結んでいたはずの同じ入植者の別の一派によって国は滅ぼされ、支配者たるシ…

スイーツ作りが趣味の男子高校生は、今日も親の再婚によってできた義理の姉のためのお菓子を作るが……。

入社したのはブラック企業だった。地獄の研修の初日を絶望して終えた私に、脱走計画を持ち掛ける同期が現れる。 KAC2022参加作品です。 第7回目お題：出会いと別れ

大多数の人間が、給液管を通した経口栄養液で「食事」するようになった未来。 「僕」は、旧様式を維持した生活をする人々を訪ねるが── Webコバルトの「ディストピア飯小説賞」最終選考…

密かに反王政の思想を広める作家のもとに、匿名のパトロンが現れるが── KAC2022参加作です。 第2回目お題：推し活

失恋からの自棄酒からの大人百合。 KAC2022参加作品です。 第1回目お題：二刀流

理由もわからずただ穴を掘り続けるひとりの女。その果てに彼女が見たものとは。 殺伐感情戦線「土」参加作品。

　わたし、灰田遼は私立探偵だ。わたしにはいくつか決めているルールがある。客には愛想よく振る舞う。警察の領分は侵さない。必要もないのに銃は使わない。それから、殺しは絶対に請け負わな…

カクヨムWeb小説短編賞2021【短編小説部門】 　　　☆短編賞☆を受賞致しました　読み切りでコミカライズします！ （満月の晩に泉にいるのは鶴ばかり） それは誰もが幼い頃から繰…

毎週土曜日、穂香は同じバスに乗る。 認知症を患った父に会いに、老人ホームを訪ねるのだ。 多くの記憶が抜け落ちてしまった父の頭に残っているのは、大好きな将棋のことだけ──なのだろう…

近ごろ人気の歌姫「リディアーヌ」は、かつて「リディ」と呼ばれた下町出身の娘だった。綺麗な髪に白い肌、流行の服。軽やかな歌声で聴衆を魅了し、かつての仲間に羨まれる。 幼馴染のローズ…

本項はノベルアップ＋「異世界ファンタジー設定コンテスト」応募作品の転載です。 内容は世界設定のみのため小説ではありません。企画書のようなものとご理解ください。 ＊＊＊ 此処は…

世間にロボもののゲームは多いけど、容量やら工数やらなんやらの制約で、どうしてもミッションクリア型かアリーナ型のバトルものがお出しされちゃう。さぃぶきさんが好きなのは敵対的環境にロ…

　今は遠い１９８０年代。俺、諏訪原光雄はさほどコアでもないアニメファンとして青春を過ごした。そして５０代に差し掛かったある日、高校時代に楽しんだロボットアニメ「重戦甲ガルムザイン…

俺達の国は、支配されている。 何かが足りなくて、そこから全部奪われた。 一番わかりやすいのは力、ＭＡＵ(マルチアームドユニット)。 高度かつ急速に発達した人型搭乗式機…

見下していたタイプの女に玉砕する大学生のお話。 第2回角川武蔵野文学賞参加作品です。

此処は軌道エレベーター、静止軌道ステーション「ヘリオトロープ」。 わたしとザーリャは三万六千キロメートル先の地上に落ちる流星群を探す。 流れ星に願いを託すために。 三千字の短編…

「今晩あたり、狐が降るかとおもって」 工場に勤めて漫然と日常を過ごす《僕》は、寂れた峠にひとりたたずむ女を見掛けて、おもわず声を掛ける。 彼女はひとつに結わえた髪を揺らし、振りか…

子供の頃、チョウの交尾を見たんだ。初めて見たから最後まで見ちゃってさ。終わった後、一匹が俺の方に飛んできてさ――何か、つい、捕まえて蜘蛛の巣に掛けちゃったんだよね。 バーの片隅…

二人組の冒険者、ダンとキリエは願いを叶える秘宝 を求めて迷宮を進む。 探索の果てに二人に待つゴールとは？

ソロキャンプ者同士でベーコンを焼いたりビールを飲んだりします。 KAC2021参加作品です。第9回お題：ソロ〇〇→ソロキャンプ

質の悪い男に惚れ込んだ吉原の花魁のお話です。 KAC2021参加作品です。第8階お題：尊い

「お嬢様は、乙女ゲームの悪役令嬢です」 前世の記憶を思い出した公爵令嬢、ステラ・ラウントリーは、専属執事であるロイド・バズウェルにそんなことを告げられた。 彼もまた、前世の記憶…

人間同士の戦争がなくなったある未来、国家間の対立は「雀蜂」と呼ばれる人造少女兵士による代理戦争によって決着が着くことになっている。戦場となる小惑星上では、機械の翅を負った雀蜂たち…

《月葬》それはなにも遺さない葬式だ。だから廃れた。 けれどもわたしは今宵、双子の姉を月に葬る。姉を愛するがゆえに。 「ね、ふたりだけのお葬式をはじめようか、姉さん」 わたしに…

春を俟《ま》っています―――― 鶴のような真白の振袖をまとったそのひとは無人駅の端にたたずんで、いつも誰かの訪れを待っていた。誰を待っているんですかと訊ねた僕に、彼女は寒椿のよ…

ネットを騒がした、『ネモフィラと瑠璃』というボーカルとピアノの2人組が姿を消してから、数ヶ月が経った。 心に傷を負った和歌月律葉は、ヘッドフォンをして自分を守っていた。 そんな…

日々下宿先にこき使われる貧乏書生は、ある晩見てはならぬものを目にする。下宿先の娘が、何者かと交わる、おぞましい姿を。

子育てもひと段落した平凡な中年男は、若かりし頃から同じ夢を見続けている。己の首に纏わりつく蛇の夢を。心霊の類は一切信じぬ男が辿りついた、その正体とは。

ツアーじゃなくって、現地の空気っていうか？　地元の店とかイベントとか飛び込みたいじゃん。語学力アップにもなるし、就活でも使えそうだし。……ま、それどころじゃなくなっちゃったんだけ…

母を殺された人喰いの少女が、別の人喰いに出会う話。

不治の病を患ったために座敷牢に閉じ込められた、高慢ちきな豪農の娘。その世話を申し付けられたのは、貧乏な家の物言えぬ娘だった。共通することと言えば年齢ぐらいの二人の娘は、それでも互…