概要
いつかの自分の言葉が、約束が、刃となって胸を抉る。
遠い西の地から氷雪と鬱蒼と茂れる森林の地へと入植し、権力を握った部族の娘シグディースは幸福だった。だが同盟を結んでいたはずの同じ入植者の別の一派によって国は滅ぼされ、支配者たるシグディースの家族のほとんども殺害された。独り逃げ延びた姫君ではなくなった娘は、古い掟に従って復讐を誓う。
一方男は、自らの命を狙う女を気まぐれに側に置くことにしたが――復讐によって結ばれた、彼女と彼の物語。
一方男は、自らの命を狙う女を気まぐれに側に置くことにしたが――復讐によって結ばれた、彼女と彼の物語。
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- ★★★ Excellent!!!血より濃く、愛より烈しく――
部族の長の娘シグディーズは、四歳上の優しい姉フリムリーズとともに、使用人たちにかしずかれて育っていた。同盟を結んでいた部族の裏ぎりによって、目の前で姉を凌辱され、両親と弟を殺されたシグディーズは復讐を誓うが、彼女はまだ十四歳だった。
男装して復讐の相手ロスティヴォロドを狙うシグディーズだが、見破られ、目前で姉を殺された上、憎きロスティヴォロドの妻にさせられてしまう。大公妃となっても夫の命を狙いつづけるシグディーズの心には、やがてある感情が芽生えていた――。
◇
第一部はシグディーズの、第二部はロスティヴォロド側の視点から語られる心理劇です。作者さまの流麗な筆致でえがかれる…続きを読む