少年は、荒廃した世界で生き残るために、傭兵となることを選んだ。
各部のパーツや携行する武装を入れ替え、性能を変化させ、様々な戦場に対応可能な人型起動兵器アームドマキナ。傭兵はこれを駆り、報酬と引き換えに作戦に挑む。
少年に付き従うのは、肉体を持たぬAIの少女。人とAIの境目が曖昧になった世界で、互いに『人間』で在り続けるために少年と少女は戦いに身を投じていく。
傭兵となってアームドマキナを駆る少年の、戦いと日常が『ブリーフィング』と『戦闘』の二パートに分けて語られています。
世界観について直接語られる機会は少ないのですが、登場人物との会話や戦場で起こる戦いにより『肌で』感じ取ることができる構成になっています。
繰り返されるミッションの中で、この世界の抱える問題や『人間とは何か?』というテーマが浮き彫りになり、一話一話が完結していながら次を読ませる牽引力に満ちている作品です。
つまり……ハイスピードなロボットのアクションに慣れ親しんだ人にとっては、最適なチューニングがなされています!
MISSION08以降の展開にも期待しています!
ジャンク拾いの少年が、クオリアを持つAI少女と出会い、ロボを駆っての傭兵稼業に…… 対戦シーンにも熱量があって、いろいろ期待大です。
特筆すべき点は、ロボ作品では「売り」というべき、メカや兵器の描写が濃縮されていること。ロボ作品からでしか摂取できない栄養素を、効率的に摂取できるサプリメントみたいな美味しい作品です。
展開の早さやテンポの良さに隠れて気がつきにくいですが、かなり贅沢にSF設定が盛り込まれています。作者のロボに対する造詣の深さが、垣間見える感じです。ロボ好きなら読むべき作品ですね。