「風土記系FT」を含む小説

遊牧で暮らしを立てる者が多い草原地帯で、町を作って生活しているデラフ族。他部族の不穏な噂が聞こえてくる中、町にやってきた隊商は、山向こうで拾ったという一人の少年を連れていた。 …

翡翠の海に囲まれた島で、少年は腐れ牛の怪を喰う化け猫娘に出会った。 中途半端に人間臭い娘に、人なのか、モノの怪なのかと問えば「どっちがいい？」と聞いてくる。 そんな娘と友だち…

年を取らず、子宮に魔女を抱え、思い出を喰われる娘、ユエ。 眼窩に宿る猫の目リールーを相棒に、呪い師として放浪している──はずだったのだが、どうやら結婚していたらしい。 魔女に喰…

森の上に森、そのまた上に森が重なる多層森林。その最上層に住む人々にとって、大地を、そして失われた高度な文明を取り戻すことは悲願だ。彼らは少女を贄に地表に棲まう「竜」を呼び出し、そ…

　これは、失われたものを取り戻そうとする者たちの物語── 　叙事詩圏の辺境、メリッサ村に住むふたごの姉弟アデリナ（リナ）とルート（ルゥ）。男勝りな少女アデリナは騎士になることを…

ウリムタの夜は黒く深い。二つの月が隠れる双新月の刻、ゼゼル鬼が現れて黒い箱を引く。黒い箱の中身はウリムタの未来。 ウリムタの夜祭りは若い衆がゼゼル鬼の仮面をかぶり、黒い箱を引いて…

異世界風土記　テーマ：「構え」　参加作品です。 突如「その島」に流されてきた青年、ジェイドが出逢ったひとつの人影。 人ならざるモノの雰囲気に吸い込まれるように近づいて、波に流され…

普段は影の静寂の中に棲む精霊たちが外に出てくる夜の話。

かつてこの地には神秘のわざをもって栄えた”最初の人々”がいた。彼らが歴史から消え、遺された神秘をただ《王の力》としてのみ受け継いだワシュアール王国で、一人の少年が新王候補として選…

　ユイが越してきた村では、年に一度独自の神事があるという。主役となるのは、十〜十五歳の少年少女。彼らは弓や銃を携えて、夜の杜へと入り込む。 〈神狩〉と呼ばれるその神事。狙いは、そ…

海に面した村を訪れた二人の旅人。 村の少年は、彼らとの交流で知らない世界を垣間見る 異世界風土記系競作企画『異風構』参加作品です http://still-in-noise.a…

成人の証である「面構え」が現れない主人公は、子供でもなく、成人にもなれない「面無（つらなし）」としての日々に孤独と疎外感を抱えていた。ある日、此方（こなた）と彼方（かなた）を繋ぐ…

境工（きょうく）という珍しい職がある。神域の門たる「境（さかい）」専門の大工だ。 この短編は、少年境工アケの仕事を追いながら、その神秘の職人技を紹介するものである。 風土記系競…

イセカイフドキさんの企画：http://still-in-noise.a.la9.jp/fudoki/kikaku/2024_01_kamae/kikaku.htmlに参加しまし…

太陽も月も星もなくなってしまった、真っ暗な世界。 けれども『星油ランタン』を手に暗闇の中を旅する人々の物語。 連作短編。ふと思い出した時や、眠れない夜にでも読んでください。 …

この世の有り様を音として聴く力があり、音を奏でれば人ならざる者とも繋がることが出来る役人『巡楽師』のディンクルパロット。 彼の次の仕事は、滅びと恵みをもたらす牡牛の道中を見守るこ…

その国は、本国では『化け物』『呪われた目』と蔑まれるこの目が『生き神の徵』として貴ばれる地だった。 大陸にある大国から南海の島国へと島流しのように使者として送られた先で、まさに…

　この世界には『竜』がいる——紫の目の人間たちは、彼らと結んで奇跡を起こす。 　そんな神官見習いの少年を幼馴染みに持つ王女ルーシェは、ひょんなことからとある騎士が遺した機密の綴…

流れ星が降る砂漠。人々は星が砕ける音に耳を澄ませる。 しかしこの星に打たれたものは『星憑き』と呼ばれ、世界に災いをもたらすと言われていた。 一体何が起こるのか、よくはわからない…

少女を神として祀り、蛇神の災いと共存してきた山岳集落イェンダ。16歳の少年ラケは、現人神ディヤの足代わり《神の御脚》として仕えていた。 長きに渡り平和だった集落は、祭りのさなか黒…