「梅雨ですね」を含む小説

２００５年　平成１７年。ある夏祭りの日。小さなボロいお社でお参りをした時、彼女は名前を失った。■■■■。彼女の名前は己の口からも、他者の口からも自分の名前は聞こえなかった。やがて…

幼なじみである湊那兎の家に泊まった夜、私の隣で哀切な水音がした。 吐息混じりに聞こえてくるその音に、私はドキドキしながら寝たフリをし続けた。 それから三年が経って、またいつも通り…

梅雨はお好きですか？私は嫌いです。でも、そんな梅雨にもいい所がひとつ。

　あやかしがくれた雨石。 　父の正和は幼い頃から世界の因果に翻弄されてきた。 　母の美和は自ら取り込まれ、 　兄の天次《あまつぐ》は巻き込まれた。 　ひとり残された娘の美雨も因…

地方都市に住む女子高生、美咲。 ある日、不思議な傘と出会い、彼女はこの街に隠された事実を知る。 ここでは『傘使い』と呼ばれる異能者達が日夜、人知れず激闘を繰り広げていた。 平凡な…

ある年の、ある梅雨の日々。 基本的に普通の男子学園生・伏世憂は、雨降る日常を、非日常を歩んでいく。 少女達との縁を結びながら。 ――そこにあるはずの何かを探しながら。

以前、アルファポリスで投稿していた作品ですが、内容は完全に書き直しにして頂いております。名前は変えていませんが、大幅に内容は変えています。 ✣大陸に浮かぶ大国の一つ、長年、…

雨が降りしきる梅雨の時期、とある町に起こる共通点の少ない殺人事件。秋葉晴明は幼なじみである梅原凌空に誘われ事件の犯人探しが始まる。犯人の犯行とその動機に彼らは何ができるのか。

奈蔵（なくら）高等学校、二年一組の大浦翔（おおうら・しょう）は恋愛反対運動に所属する少年。 恋愛反対運動の同級生メンバー、代表の灰原徹（はいばら・とおる）、小弓川環奈（こゆみかわ…

女髪結が厳しく規制されている江戸時代。女髪結のお新は新吉原の見世「白木屋」の新造（若い遊女）である花駒と、彼女とよい仲の、白木屋で働く才三郎を騙し、花駒を家に連れ去る。困った白木…

　2015年。梅雨の始まりが告げられる頃。 　叢雲八重(むらくもやえ)は彼女――今は『妻』である青谷時雨(あおたにしぐれ)への誕生日プレゼントに悩んでいた。時雨の親友である有馬…

　若月香は、高校入学し同じクラスになった園田日菜子のことを「とても綺麗な人」だと思っていた。 　最初は、日陰者の自分とは住む世界が違う人だと感じ、交わることもないだろうと思ってい…

「あなたも、あぶれた人？」 ヨドノとミシマは、閑静な街の片隅に二人で住んでいる。 親友であるヤサカを介して何気ない日々を過ごす二人は、恋人同士でありながら、それぞれに踏み込めな…

『知ってる？雨って神様の涙なんだって。』梅雨のある日の放課後、司書教諭の先生は雨の降っている外を見ながら図書委員の僕にそう言った――――。どうしても動かない先生と生徒という立場の…

　知りたがり屋の海野虹貴は、梅雨が嫌いな高校一年生。彼にとって梅雨と頭痛は隣り合わせであり、いつも憂鬱にさせてくる。土砂降りの雨に滅入った海野は、「歩くの面倒だし、今日くらいはバ…

中学二年の梅雨明けの時期。 僕の恋が始まった。

拾ったのはカタツムリ、僕は普通の人間だった。それだけ

君といたあの季節を忘れない。 血に塗れた君を、 冷たい手を 僕だけが知っていた。